農地の相続税納税猶予で農地貸付けは




農地の相続税納税猶予の改正…事情次第で農地貸付けも可



2009年2月16日 第725号

株式会社の農業経営推進へ


農水省は、株式会社やJA等が農地を賃借しやすいように農地法を改正します。しかし農地が供給されなければ絵に描いた餅。そこで相続税を改正します。

現行は農業後継者が自ら営農すれば相続税が安くなりますが、事情により営農せずに農地を賃貸できるように改正します。


相続税の納税猶予制度です。市街化区域内農地は宅地転用自由です。ですから農地は宅地評価で相続税課税され、膨大な相続税になります。例えば5億円。農業収入から払うのは困難で農業も農地も崩壊します。

そこで宅地評価ではなく、農業投資価格という極めて安い評価で相続税計算します。相続税は例えば1000万円になります。

宅地化できる農地でも、後継者が営農継続する約束をすれば相続税は1000万円。残り4億9000万円は「納税猶予」されます。

しかし、もし営農を放棄したら利息(利子税)を付けて4億9000万円の課税をします。地域によっては生産緑地指定により宅地転用不可を前提にします。

そしてその後継者が約束どおり死ぬまで自ら営農して亡くなったなら4億9000万円は「納税猶予」から「免除」に切り替わり、チャラになります。(三大都市圏の市街化区域内農地等以外は20年間経過でも免除。)

「自ら営農」ですから農地を貸せません。そこで「事情があれば農地貸付けでもOK」に改正します。これにより貸し出される農地を増やし、株式会社等が農地を借りやすくします。

中小企業と農地の納税猶予


農水省だけでなく国税庁の都合もありました。2009年度税制改正の目玉は中小企業の後継者の相続税負担大幅軽減です。

「農家にだけ相続税納税猶予があるのはおかしい。中小企業にも」との声が実現し、農地同様に「ちゃんと事業経営を続けるのなら」、中小企業の非上場株式への相続税を納税猶予し、死んだ時には免除する、という農地同様の仕組みが出来ます。

しかし農家と中小企業とでかなりメリットが異なる制度になりました。中小企業は「5年間は事業を継続し、その後も株式をずっと所有していれば」相続税が免除されます。しかし農家は例外を除き「自ら営農(ずっと事業継続)」です。耕作放棄や農地賃貸なら課税されます。不平等です。そこで「5年間」とまではいきませんが条件を緩め、農地賃貸も許します。

「猶予期間中に障害、疾病等のやむを得ない事情により営農継続が困難となったときは、農地等の貸付けをした場合でも、その貸付けによる賃借権等の設定はなかったものと、農業経営は廃止していないものとして納税猶予の継続を認める。」(改正案要綱)

市街化区域外での20年免除


中小企業後継者は死ぬまで株式を保有しなくては相続税免除になりません。三大都市圏市街化区域内農地は同様死ぬまでですが、それ以外の農地は「20年経過」で免除です。相続税チャラでその後宅地転用や売却ができます。中小企業の後継者は20年でなく死ぬまで。不平等です。

市街化区域外の農地、つまり市街化させたくない地域等の農地は「20年経過」では免除せず、「死ぬまで」持ち続けてやっと免除へと改正です。トバッチリ増税のようですが、農水省も20年経過で転用されるより農地として賃貸してほしいのでしょう。

「市街化区域外の農地等に係る相続税の納税猶予制度について……納税猶予適用者について、20年間の営農継続により猶予税額の納付を免除する措置を廃止する。」(改正案要綱)

農地課税改正のまとめ


農地の納税猶予は、営農継続要件については事情次第で農地貸付でも可になります。市街化区域外の農地は20年で免除でしたが死ぬまで免除されません。

すでに納税猶予適用を受けている農地に改正は適用されず、今国会提出の改正農地法施行日以降の相続から適用されます。


cats_back.gif





バードレポートとは


 
clip_blue_1.gif




前号

次号


関連する項目
路線価評価相続評価
物納と相続税調査
相続対策と遺産分割
相続税対策申告

このレポートと同じ年分リスト
2009年リスト




あんしん生命資料請求
  • 使わなかったら払った保険料が全額戻ってくる医療保険

保険ショップインフォ
  • 地域から探す
  • 保険ショップの使い倒し方

保険ショップ


バードレポート

Google
Web検索
当サイト検索

バードレポート項目別
不動産ビジネス手法
不動産賃貸経営
不動産と金融会計
定期借地権定期借家
不動産証券化
債務整理と企業再生
不良債権処理
債務処理の税務
相続税対策申告
路線価評価相続評価
物納と相続税調査
譲渡税買換特例
住宅税制住宅減税
固定資産税
税制改正
その他不動産税制
その他税制
相続対策と遺産分割
生命保険
その他不動産関連
その他
トピックス版・年別リスト
カネボウ劇場
発行元情報

バードレポート発行順
発行年順リスト
clip_blue_1.gif
clip_blue_3.gif