12月引渡と1月引渡の売買契約




12月引渡と1月引渡の売買契約…税務は大きく違ってくる



2009年11月23日 第762号

個人が不動産を売却します。10月に売買契約を締結し12月に決済引渡です。なんで12月にしたか…。さして意味はありませんが、ただ「年内にさっぱりしましょう」と言われたからです。忙しいので本当はもう少し先にしたかったのですが…。

税務を考えるなら、本気で少し先にしましょう。可能ならば、売主買主の合意書を作成し、決済引渡を1ケ月伸ばして来年1月にしましょう。お互い合意できれば可能です。税務においてこれは大きな違いになります。

(なお12月に代金のほとんどの授受を終わらせたり、登記も移転させたりしてしまい、そのうえで、1月になって退去してかまわない、とか鍵の引渡だけは1月にするというのはダメです。

これは引渡が完了していて、形式的に明け渡しを猶予しただけとなってしまいます。)

税務申告はどう変わるのか


今年10月契約で今年12月引渡ならば、その譲渡所得は今年の所得になります。すると来年3月に確定申告をして、所得税を納税することになります。

しかし、同じ今年10月契約でも来年1月に引渡なら、その譲渡所得は、今年の所得にするか来年の所得にするか選べます。

つまり契約年の所得にするか、引渡年の所得にするかは本人が自由に選択できるのです。

来年の所得と選択すれば確定申告は再来年の3月になります。申告納税が1年先になるのです。


税金分を1年間運用できます。ただし今の低金利時代に1年間運用してもたいした金額にはなりません。

しかし1年先にすることで様々な違いが生まれます。

買換期限の先延ばし


事業用物件の売却で事業用資産の買換特例を使うのならば、買換物件の取得期限が1年先に伸びます。居住用財産の買換特例を使う場合でも同じです。

買換期限は譲渡年の翌年末までです。特に新築建物を買換物件にしようとすると翌年末までに完成させないといけません。

1年間で物件を見つけて引渡を受けるのは大変なことです。あわてて買わないといけません。その期間が一年先に伸びればゆっくり探せ交渉できます。

1年かけて節税対策


個人の場合に不動産の売却益は不動産の売却損としか損益通算できません。他に値下がり不動産があり、この損益通算を利用できる可能性があるのなら、期限が一年間延ばすことで対策の可能性が生まれてきます。

売却益がでるなら、値下がり物件につきその売却益に見合う売却損を実現させます。時価査定等をきっちりすれば身内間の持ち分売買でもかまいません。

また今年の所得にするか来年の所得にするかは、来年3月の確定申告までに決定すればいいのです。来年の税制改正で新たな減税策の対象になれば来年を選択し、もし増税になるのであれば迷わず今年を選択することができます。

法人なら事業年度変更も


個人の場合には暦年で考えますが、法人の場合には事業年度で考えます。それ以外は個人の場合とほぼ同じですが、法人の場合には不動産売却損益と他の事業の損益を一つで考えます。

個人の不動産売却損益は他の不動産の売却損益としか通算できませんが、法人にはそんな制約はありません。他の事業の状況をみて当期にするか翌期にするか検討できます。引渡を遅らせて翌事業年度にした方が、役員給与額調整その他の節税策に一年かけられます。

また多額の売却損がでれば法人なら最終的赤字を7年間に渡り繰り越すことができます。同じ繰り越すなら、翌期にした方が1年遅くまで繰り越しができることになります。

法人ならではのウルトラCもあります。それは決算期を変更することです。たとえば12月決算法人で、12月に売却益がでるなら決算期を11月に変更してしまえばいいのです。12月から新年度になります。



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