小規模宅地評価減 親と別居の子増税




親と別居の子への相続税増税・相続後すぐに転居すると増税



2010年2月1日 第771号
相続税の課税最低限として基礎控除があります。相続人が配偶者と子1人なら7000万円です。
大都市部では自宅だけでこの7000万円を超えてしまいます。坪100万円の住宅地は珍しくありませんから、70坪で7000万円。
他に多少の資産があれば相続税課税です。住宅ローンで買った持ち家と退職金の残り預金ぐらいで相続税がかかる、という相続税の大衆課税になります。

面積としての基礎控除制度


そこで金額としての基礎控除でなく面積としての基礎控除といえる制度を設けました。それが小規模宅地の評価減制度です。
全相続土地のうち200uないし400uの任意の土地(居住用または事業用に限定)を相続人が選択して、その土地について特別の評価減を認めます。 
配偶者ないしは同居している子が自宅敷地を相続しその土地を選択したときは、70坪(厳密には240u)までについて評価減となり、8割引きになります。
前記7000万円の土地なら8割引きで課税額は1400万円になります。これなら他に多少の預貯金等があっても相続税はかかりません。この70坪が言わば面積的な基礎控除となり、相続税大衆課税が回避されます。

これが改正になります。相続人が「同居の子・配偶者」の場合には何も変わりません。しかし「別居の子・配偶者」だと大きな影響があります。
ここでの8割引き制度は「居住用」の場合の制度であり、「同居の子・配偶者」なら二人とも居住用だから問題ありません。

親と別居の子への相続税増税


「別居の子・配偶者」、つまり、子どもが自分で家を買う等で別居して、親夫婦だけが住む自宅の場合はどうでしょうか。
この自宅敷地を配偶者が100%相続すれば8割引きです。しかし別居の子が相続すれば相続した子にとっては居住用ではないので8割引きは使えません。
ただし配偶者が持ち分50%で別居の子が持ち分50%を相続した場合には70坪全体について8割引きが使えるのです。別居の子が相続した持ち分50%、面積にして35坪分はその相続人の居住用ではないのですが、配偶者と共有相続すれば使えてしまうという制度なのです。
共有なら使えますから、配偶者の持ち分10%で別居の子の持ち分90%でもOKなのです。この特例をうまく使うのがプロの腕でもありました。

この手法につき会計検査院が1000以上の相続税申告書を実際にチェックし検査報告しました。
「相続人が居住している土地について相続税をかけない」という趣旨なのに、別居の子が適用を受けることはおかしいじゃないか、との指摘です。
今年度の税制改正では「別居の子・配偶者」で共有での持ち分相続した場合でも、別居の子は特例が使えなくなります。
配偶者が10%で別居の子90%なら配偶者の10%(7坪相当)分だけが8割引きになります。
この場合、全体が7000万円の評価だったとすればこれまでは全体が8割引きで1400万円への課税でしたが、それが6440万円への課税に変わります。

通常は二次相続の相続税を考えて、別居の子に対し8割引きを使い、可能な限り相続させます。それができなくなります。
坪100万円程度からの住宅地で子が独立し老夫婦のみ居住の戸建住宅、といったケースで極めて大きな影響をうけます。

相続後の転居や売却は要注意


同居の子が自宅を相続し、すぐに住まなくなった場合はこの8割引きは使えないものの、現行200uまで5割引きが使えます。
今改正で申告期限(10ケ月)まで居住しないと使えなくなります。親が亡くなり、同居の子がすぐに転居や売却した場合です。
配偶者なら転居売却した場合なら現行では240u8割引きです。
税制改正大綱では、配偶者の転居売却については明確に読み取れず、法律案がでるまでわかりません。残された片親を別居の子が引き取った場合等です。

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