年金受給権評価の相続税改正




年金受給権の評価方法の相続税改正…最後の駆け込み対策は



2010年2月22日 第774号
「一時払いで2000万円の年金保険にはいりませんか。10年間は据置運用期間で、それから年金の支給が開始します。毎年100万円で20年に渡って年金が受け取れますよ。」
銀行の窓口で販売される一時払い年金保険です。
「老後の生活資金ですが、万が一の時の相続税対策にも…。」
なんで相続税対策になるのでしょうか。一つは据置期間中に亡くなった時は運用残高が一時金支給され、これに生命保険金としての非課税枠が使えることです。相続人3人なら枠は1500万円です。ただし既に1500万円以上の保険があればそれでいっぱいですので無意味です。

年金受給権の相続税対策


大きな狙いは年金支給開始後にあります。たとえば年金開始から5年後に亡くなりました。
残余期間15年で年100万円の「年金受給権」が相続人が引き継ぐ相続財産になります。
相続税法第24条はこの「年金受給権」をどう評価するかを定めています。
残存期間が5年超10年以下なら給付金額の総額100分の60。10年超15年以下なら100分の50。15年超25年以下なら100分の40。更に35年以下は100分の30…。
残存期間15年で年100万円なら給付金額の総額は1500万円です。その100分の50の750万円が相続税の課税対象です。
つまり半分しか相続税課税対象にならないのです。(厳密には、この年金受給権の時価とは、利率で割り戻した年金現価、又は解約返戻金となります。)
金融商品でこのような相続税対策効果のある商品は他にはありません。年金保険は便利な相続税対策商品になりました。

年金の相続税対策商品化


数年前までは、年金保険は老後資金のための運用商品でしたから据置運用期間は10年といったものばかりでした。
しかしそれでは短期の相続税対策商品になりません。2-3年後の相続への対策なら据置期間10年では役に立ちません。
そこでここ数年で据置期間1年の商品が続々と新発売です。
1年でもまだ長過ぎるようで、契約後最短2ケ月で年金が始まるという商品も生まれています。
相続税対策商品として販売しやすい商品へと変貌したのです。

そもそもは、年金受給権の相続税の評価方式がおかしかったのです。相続税法ができたのは昭和25年です。当時は複雑な商品もなくまた高金利でありこのような簡単で低い評価方式になり、また通達や政令でなく相続税法本体の定めにしたので、改正しづらかっただけなのです。
2010年度税制改正でこの解約返戻金等の実際の時価で評価するように改正になります。この節税手法は終焉に向かいます。
2010年4月1日以降に契約したものはすべて改正の対象となり、それ以前からの契約でも2011年4月1日以降の相続贈与からすべて対象になります。過去の契約もダメになってしまいます。

最後の抜け穴相続税対策


さてここに短期的な抜け穴ができました。逆読みすれば、2010年3月31日までに契約したものについて2011年3月31日までの相続贈与なら従来の評価方法が適用されるとなることです。
今年3月までに契約して来年3月までに年金支給開始します。
そんなに都合よく相続が起こることはありませんから、贈与を使います。親が一時払い保険料を払い、年金受取人を子にして1年後に年金支給開始するのです。これが「年金受給権」の贈与になります。

相続税も贈与税も最高税率は同じ50%なので資産家ならどっちも同じ。本来の時価の半分等の評価で済むなら贈与税でも…。
明確に期日を区切った税制改正の経過措置を用意してくれたのですから堂々と使えそうです。
ただ子が契約等の全部を仕切ったり、年金支給まで超短期なら「親の行為ではなく親の名を借りた子の行為」「年金受給権でなく払込保険料の贈与」なんて言われかねません。ご注意を。

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