グループ法人税制…親子会社間売買は非課税?




会計と税務と登記は別のもの。親子会社間売買は非課税?



2010年3月22日 第778号

会計と税務は別のもの


1億円で機械を購入します。法定耐用年数は10年です。しかし購入年度に1億円一括で全額を減価償却するのは自由です。
「この機械は汎用性なく資産性もないから全額一括償却して当社の貸借対照表に乗せない。」と経営者が考えてもいいのです。耐用年数や価値は自分で決めます。経営者のための決算書です。

税務署がこの考え方に対し、とやかく言う権利はありません。
税法で定める減価償却費が1年分1000万円だから減価償却費を1000万円とするという決算書は「経営者のための決算書」でなく「税務署のための決算書」です。それが一般的なだけです。
税務署はそんな決算書にダメとは言いません。ただし「会計処理は自由で結構ですが、法人税算出に際して減価償却は1年分の1000万円だけにして下さい。調整のための書式も用意していますので…。」と言ってきます。
決算書では1億円を減価償却し、法人税申告書別表という書式に「決算書での減価償却費1億円のうち9000万円は税金計算上では経費にしません。1000万円だけです。」と説明します。
税務署は法人税法で定める計算の仕方による法人税がとれればいいだけなのです。

登記と会計は別のもの


譲渡担保は便利でした。
抵当権設定の代わりに所有権を債権者に移してしまいます。登記原因「譲渡担保」とすべきですが「売買」でもできました。
他の債権者から見れば売買登記されれば差押さえや競売をする気は失せます。

だから信頼できる相手とわざわざ金銭の貸し借りをして、譲渡担保で不動産の名義を変えてしまいました。もちろん登記原因は「売買」です。債権者が諦めて、ほとぼりがさめたら債務弁済して登記を戻すだけです。
本当の売買にしてしまうと売却損益が課税対象になります。登記は売買でも、税務上会計上では単なる金銭の貸し借りですから、売却益損は生じません。
2005年の不動産登記法改正で登記に際し登記原因証明情報が求められるようになり、債権者目くらまし用の売買登記の譲渡担保は事実上困難になりました。

売買しても税務は別のもの


2010年度税制改正で法人税法が変わります。100%グループ会社間、例えば完全親子会社間や兄弟会社間で不動産売買等の取引を行っても税務上では売却損益の計上を認めません。
「利益や損失が出過ぎた」のなら含み損や含み益の不動産をグループ会社間でキャッチボール売買して利益調整しました。
2010年10月以降は100%子会社に不動産等(簿価1000万円以上)の売却をしても税務においては、売却損益の課税なしです
(改正法人税法第61条の13)。
見方を変えれば売却益非課税です。その後に子会社が売却等した時にやっと親会社で売却損益が計上されます。それまでは課税されないままです。
しかし会計は別です。税法が会計上の売却損益計上までもを禁止できません。会計上で1億円の売却益を計上して決算書のお化粧をしても、税務では課税なしということになります。
前述と同じく申告書別表で「売却益1億円は子会社が売却等するまで留保」と説明することになるのでしょう。
不動産キャッチボール利益調整での節税は困難になります。
また個人と一定の親族だけで複数の会社を支配していると全社このグループ会社になるようです。つまり他人がまったく株式をもっていない中小企業はすべてこの対象になりそうです。
一方で不動産売買をしても法人税非課税なのです。課税なしなら譲渡担保もどき取引で堂々と売買登記ができます。株主構成は登記簿からは分かりません。

また子会社等が売却等したときにやっと課税されますから、様々な調整にも使えそうです。
株主構成を戦略的に考え、グループ税制の適用会社と非適用会社の使い分けも考えましょう。

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