買換物件の原価や償却はどうなるのか




買換特例を使った買換資産の原価や償却はどうなるのか



2010年5月24日 第786号
買換特例とはどのような仕組みなのでしょうか。
古いマイホームを3000万円で売却しました。土地原価と建物の減価償却後の原価は300万円です。売却益は2700万円です。
特別控除を使います。マイホーム(居住用財産)を売却した場合には3000万円特別控除か買換特例のどちらかを選ぶのが普通です。売却益が2700万円ならそこから3000万円特別控除を差し引いて課税ゼロです。
買換特例を使います。新規取得の新マイホームを買換資産にします。旧マイホーム売却額3000万円のうち買換資産の金額は「売らなかったもの」として税金を計算します。それが買換特例の考え方です。新マイホーム3000万円なら「全額売らなかったもの」となり、税金ゼロ。
どちらかの特例を選びます。
普通は3000万円特別控除を選びます。面倒がないからです。買換特例だと所有期間、買換期限、面積制限等の条件があり、申告手続も複雑になります。

大きな違いがあります。


この新マイホームを将来売却した時の譲渡税が違うのです。
3000万円特別控除を使いその上で、別途3000万円新マイホームを買いました。つまり新マイホームは何の譲渡特例も使っていません。その新マイホームを将来6000万円で売ります。原価3000万円(減価償却等無視)のものを6000万円で売却です。売却益3000万円、再度3000万円特別控除が使えれば税金ゼロです。
買換特例を使い新マイホーム3000万円を買っていたらどうでしょうか。旧マイホーム3000万円は「売らなかったもの」として譲渡税ゼロとされたのです。
だから「売らなかった」のです。税務上では旧マイホームは売っていないのです。税務上は新マイホームが旧マイホームに入れ替わっただけです。だから新マイホームの原価は実際の3000万円でなく、旧マイホームの300万円のままです。そして新マイホームを6000万円で売却する時の原価は旧マイホーム原価の300万円のまま引き継いでいて、売却益5700万円となります。これが買換特例の本質です。

3000万円控除が買換特例より確実に有利です。(なお自治体により国民健康保険料の計算過程の一部で3000万円特別控除を適用しないこともあります。)

売却金額が大きくなると…


金額が大きくなると事情が変わります。旧マイホームの売却益が1億円としましょう。3000万円特別控除なら売却益7000万円に課税されますが、買換特例で売却金額以上の新マイホーム取得なら税金ゼロになります。

どちらが有利かは新マイホームの金額次第で変わります。
事業用資産の買換特例


居住用でなく事業用資産の買換の場合も考え方は同じです。
買換資産は売却資産の原価を引き継ぎます。前述の旧3000万円マイホームを売却賃貸アパート(事業用資産)と置きましょう。買換資産も同様に3000万円の賃貸アパートとしましょう。
買換資産は300万円の原価を引き継ぎそれ元に減価償却をします。償却額はわずかになります。これが原則の考え方です。
実際の事業用買換は複雑です。3000万円売却で3000万円買換なら(例えば)80%相当だけを「売らなかったもの」、20%は売ったものとして計算、20%600万円は売ったものとして課税です。
すると売らなかったものとされ新物件が引き継ぐ原価は80%の240万。残り20%は実際に買ったと考えて新規に買った金額3000万円中の20%の600万円。その合計840万円を新物件の原価として減価償却したり、将来の売却時の原価としたりします。
原価が下がりますから、減価償却を取りたいのなら土地建物のうち建物を買換資産からはずすことも検討します。
買換後すぐに再売却となれば原価は引き継いだ上で短期譲渡になります (原価は「売らなかったもの」として引き継ぎますが、いつ買ったのかは引き継がないので、短期譲渡になります。)。


昭和バブル期取得の不動産売却時の譲渡税は要注意 2010年3月15日 第777号



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