相続税大増税がスタート




実家に親を残した子に襲いかかる相続税大増税がスタート



2010年8月23日 第798号

70坪の面積的な基礎控除枠



大都市近郊で70坪の自宅敷地(路線価坪100万円)と預金建物等3000万円が相続財産です。相続税はかかるでしょうか。

土地7000万円と預金等3000万円で1億円。相続人が子1人とすれば相続税の基礎控除額は6000万円。相続税額600万円です。

坪100万円でも昔はサラリーマンに買えた住宅地で、あとは退職金残額等です。つまりこれでは普通の家庭に対する相続税大衆課税となってしまうのです。

そこで自宅70坪(240u)までなら相続税をかけないとして面積的な基礎控除枠があります。

「小規模宅地の評価減」といい配偶者や同居の子(相続人)が相続する自宅敷地は70坪まで8割引きにします。これで土地は1400万円となり基礎控除額を下回ることになり相続税ナシです。

この制度で、普通の住宅地なら、居住自宅と他資産3-4000万円程なら相続税ナシになります。

居住する住まいを守るのが制度の目的ですから、配偶者や同居者が相続したなら当然で8割引きです。しかし注目ポイントは別居相続人と共有相続しても全体が8割引きになることです。

配偶者が持ち分10%、別居の子が90%を相続しても土地全体が8割引き、つまり土地評価7000万円は1400万円になるのです。


実家の相続は大増税



4月1日の相続から大増税です。配偶者や同居相続人の相続した分だけが8割引きになりました。配偶者が持ち分10%相続ならばその対応分だけ8割引きです。計算すると土地6440万円となり、相続税は課税になるでしょう。

子別居での実家相続は「配偶者10%別居子90%にし相続税を避ける」のが税金プロの技でした。これがダメになったのです。


仕方なく配偶者が土地100%相続すれば70坪分全部が8割引きになり基礎控除額に収まります。そこで他資産を含め全財産を配偶者が相続することにします(実際には細かい計算で持ち分を決めることになります)。そうすることで相続税ゼロです。

いずれその残された配偶者の相続「二次相続」です。従来なら別居の子がすでに持ち分(例えば前述の90%)を相続済みなので相続税の心配は無用でした。

しかし親(配偶者)が100%相続したので、二次相続で相続税はドカンときます。別居の子は8割引きを使えません(改正前はこの場合でも200uまで5割引きでしたがこれは廃止です)。この場合の相続税額算出が当レポート最初に書かれている状況となり、土地7000万円と預金3000万円とで相続税600万円です。

実家を出た子への相続税はゼロから600万円へと大増税です。もし坪数百万円の超高級住宅地なら数千万円の大増税です。

賃貸暮らしの子は8割評価減



このような二次相続の相続税に例外(以前からある例外で廃止にはなりません)があります。

別居の子でもマイホームを有していなければ(賃貸暮らしなら)、8割引きが使えるのです(厳密には「子本人および子配偶者が相続前3年間に居住用家屋を有していない」)。つまり子が賃貸暮らしなら相続税ゼロです。

住宅ローンでマイホームを買った子は「8割引き」対象外で相続税600万円。賃貸暮らしなら「8割引き」で相続税ゼロ。

実家が高級住宅地なら、子はマイホームから退去するのが相続税対策です。マイホームは他人に賃貸しアパートに住みます。

民主党が税制無関心なので



この改正は政権交代と民主党の税制無関心が背景です。

突然に税制改正権限を握らされたお役人(政府税制調査会)は、民主党政治家に理解不能のこのようなテクニカル増税のやり放題。前政権なら権限は政治家(自民党税制調査会)でしたのでこんな改正はなかったでしょう。

「官舎住まいの自分ら役人は実家相続も『8割引き』だから…」…ゲスの勘ぐりでしょうか。

親と実家で同居していれば8割引きは使えます。つまり親孝行が相続税対策になるという、親孝行税制でもあります。

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