親子会社間の贈与は非課税




親子会社間の贈与は非課税…子会社を優良会社にする方法



2010年10月18日 第805号

100%子会社を一気に財政状態が優良会社にできます。

親会社が100%子会社に1億円を贈与します(法人税法での厳密な用語では「寄附金」)。子会社は資産1億円が増加します。

2010年10月からはこの贈与は非課税となり無税での資産移転可能となりました。

従来の贈与では子会社の受贈益は法人税課税でした。しかし税法改正により100%親子会社間での受贈益(贈与)は非課税となったのです。なお贈与する側は損金(経費)にできません。

法人ですから損益計算書には様々な損益項目が計上され、そのなかに受贈益1億円が計上されます。貸借対照表では資産1億円がしっかりと増加していますから財政優良会社になります。

贈与年度は「受贈益1億円」が損益計算書に計上され事情を読み取れますが、翌期分からは分かりません。債務免除益や低額売買や高額売買(例えば時価2億円のものを1億円で売買)の差額利益でも同様の結果になります。

つまり第三者に向けての決算書の厚化粧が自由にでき、一見信用力ある会社にできます。

外部から見えないお化粧決算


従来はこの受贈益は法人税課税の対象でした。税率40%として贈与1億円なら4000万円の税金です。高すぎる化粧代です。

2010年10月以降の100%親子会社兄弟会社間贈与は非課税になりました。厚化粧の決算書からその贈与を抜き出し、それを法人税申告書で課税対象から除外(益金不算入)します。100%支配グループ間の内部取引は益も損も課税しないとの趣旨です。

決算書で堂々と資産計上しても、法人税申告書で調整されて非課税になるのです。

税務署はその年の申告書で事情が分かります。しかし取引先等がある期の決算書を突然見ても、過去の厚化粧を見抜くのは困難になってきます。

そもそも誰が株主かは貸借対照表等決算書や登記簿からは分かりません。


対象となる法人は


やはり10月から100%グループ会社間での売買譲渡損益が課税されなくなりました。そこでは個人や兄弟等が100%支配する二つの会社間取引も対象でした(当レポート2010.10.11号)。

しかし贈与非課税では法人が100%支配する会社に限定です。

個人や兄弟が100%支配する会社間は非課税ではありません。

親個人が100%支配する会社から子個人100%支配会社への1億円贈与は課税されます。

「親から子へ経済価値の移転が無税で行われることとなり、相続税贈与税の回避に利用されるおそれが強い(主税局担当者の解説)」からという理由です。

ただ個人が100%支配する会社を頂点とし、その会社が100%支配する会社グループ内では贈与非課税になります。

なお親会社が経営不振子会社を支援するための債権放棄も贈与ですが、親会社の損金(経費)の処理が認められています。

これらケースは改正の対象外となり従来同様です。親会社は損金となり、子会社は受贈益課税です(ただ普通なら赤字がたくさんあるので結局は課税なし)。

最初から節税封じ対策


無税贈与が可能となれば色々な可能性を考えます。

現金1億円出資で子会社Aを設立、子会社Aから子会社Bに9千万円非課税贈与します。親会社のA株式簿価は1億円のままですがA社時価は1千万円。A社を1千万円で売って9千万円の売却損。簡単に節税できます。

残念ながらそんな簡単節税封じのため、親会社は各子会社株式の帳簿価格修正が強制されます(親会社は贈与当事者でないにもかかわらず)。A会社株式の簿価は1千万円に強制減額され売却損はだせません。最初から節税封じ付の改正なのです。

それでも非課税制度は様々複雑な活用が研究されるでしょう。

なにしろ、親子兄弟等の個人間の贈与は重い贈与税の課税ですが、親子兄弟の法人間なら贈与非課税になるのですから。

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