2011年度税制改正(1)




2011年度税制改正…課税処分は5年に延長・相続税所得税増税



2010年12月17日 第813号

課税処分は過去3年から5年へ


所得税の税務調査は多くが過去3年分までです。税務署が通常の増額課税処分(増額更正)できる期間が3年だからです。この3年が5年に延長されます。

税務調査で調査官は「従来のように過去3年分だけでなく、過去5年分の修正申告をしてください。そうでないと過去5年分を課税処分しますよ」と言ってくるでしよう。


一方で、過去に過大な申告をしてしまった場合に減額を求める修正申告を「更正の請求」と呼び、期限が申告1年後まででしたが、これも5年になります。

過去の相続税申告において、土地評価が高過ぎたとして相続税還付を求めることがかなりあります。申告後1年内なら「更正の請求」として堂々と請求できますが、それを経過すると「嘆願」となり「お願い」レベルになってしまいます。改正により5年間は更正の請求で進めます。

相続税は大増税


相続税の非課税枠縮小です。

「5000万円+1000万円×法定相続人数」から「3000万円+600万円×法定相続人数」へ。法定相続人が子2人なら7000万円から4200万円へ2800万円減です。


2010年改正で小規模宅地評価減適用不可となった非同居実家相続では、東京周辺では相続税パニックになるかもしれません。

坪100万円土地40坪と預金建物その他1000万円で計5000万円です。相続人が子2人だけの実家相続なら基礎控除4200万円を超えます。東京区部での実家相続は相続税大衆課税になります。

相続税課税対象なら全て基礎控除減分×税率分の増税です。

相続税の最高税率は50%から55%へ引き上げになります。相続人が子2人なら2800万円×55%で最大1540万円増税です。

また相続税での生命保険の死亡保険金非課税枠が削減です。

死亡保険金非課税枠は現行「500万円×法定相続人数」ですが「500万円×未成年者・障害者・生計同一者の数」に変わります。非同居成人の数は対象外となり、実家相続はいよいよ厳しくなります。なお税制改正要望には「死亡保険金の相続税非課税限度額の引き上げ」が入っていましたが逆になりました。

贈与税は20歳以上子孫は優遇


贈与税の最高税率も50%から55%になります。ただし20歳以上の子や孫への贈与は、最高税率は上がるものの贈与税率のきざみが緩和されます。贈与による需要喚起の経済対策でしょう。

また20歳以上の孫についても相続時精算課税制度を適用対象にし、2500万円まで贈与税非課税枠(実際には相続まで繰り延べ)を使えるようになります。

高所得者の給与所得課税


高所得者の給与所得への増税です。年収1500万円超の給与所得者は全て増税です。2000万円超の会社役員は同収入の一般従業員と区別し更に増税です。

所得税増税額は、年収2000万円なら従業員役員とも8万円、2500万円なら従業員20万円会社役員45万円、4000万円なら従業員50万円会社役員100万円、
(日経新聞20101210での試算。子なし・専業主婦、住民税別途)。

一方で法人税は減税となるので、中小企業の社長は役員報酬を減らして法人所得を増やすことを検討することになります。

短期在職会社役員の退職金


退職金は控除後金額の2分の1課税です。つまり税率は給与所得や事業所得の2分の1です。

短期間在職を前提とするのなら毎月の役員報酬を少なくしておいて退職金でドカンと受け取れば全体で節税になります。

勤続5年以下の役員退職金は2分の1課税不可になります。つまり2倍の増税です。

大企業で従業員が取締役昇格する際は、従業員を退職してから取締役就任します。その後の取締役退任時には役員退職金を受け取ります。この間数年のことも多く、その期間が5年以内ならこの増税の対象です。

民主党が「天下りの退職金」へ課税強化提言をし、それがこのような形で取り込まれました。



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