法人税減税と給与所得増税




法人税減税と給与所得増税で社長の役員給与は減らすがお得



2011年1月24日 第818号

法人税率は30%から25.5%へと4.5%の引き下げです。

「法人税が40%から35%へ5%下がる」と言われますが、これは法人税率でなく法人の実効税率5%の引下げでなのです。


法人住民税所得割はこの法人税額に17.3%や20.7%といった一定率を乗じた額なので法人税が減れば減ります。事業税は翌期に経費になる(法人税や法人住民税は経費にならない)ので翌期の法人税等が減少します。

この翌期減少の法人税分まで勘案した合計税率が「実効税率」で、これが40.69%から35.64%へと5%下がるのです。2011年4月1日開始の事業年度からです。

この計算は東京都所在、資本金1億円超、事業税外形標準課税適用法人です。(外形標準課税適用だと実効税率は実際より低くでます。もし適用外なら実効税率は36から37%程度です。)

中小法人の法人税の税率は


資本金1億円以下の中小法人で所得800万円以下だと法人税率は大企業のように30%ではなく22%です。この税率は19%へと3%の引き下げです。実効税率を計算すると約31%から約28%へ3%強引下げになります。

ただし中小800万円以下の法人税率は原則の22%でなく経過措置で18%が適用されており、現在の実効税率は約27%です。

経過措置は2014年3月開始事業年度まで延長で法人税率は18%から15%へと3%の引き下げです。実効税率は約23%です(なお400万円以下だと事業税率が違い実効税率は22%程です)。

つまり中小800万円部分の税率は23%と意外に低く800万円超で最大36-37%程です。

数字は東京都の例です。税率等は自治体で異なり実効税率は最大で1%程の差が生じます。

役員給与への所得税増税


一方で2012年の所得税からは給与所得者へ課税強化です。

年収1500万円超だと、給与所得の課税対象額が増加し所得税住民税増税です。特に会社の取締役等へは一般従業員とは別枠で更に多額の増税です。

年収2000万円だと従業員も取締役も11万円増税。3000万円だと従業員なら38万円増税で取締役だと68万円増税。4000万円だと従業員63万円で取締役123万円増税です(日経2010.12.19)。

役員給与と会社所得の関係


プライベート会社の社長なら、負担税金は社長個人の税金(役員給与への所得税等)と会社の税金(会社所得への法人税等)の合計と考えます。法人で払っても個人で払っても同じ税金です。この合計額の最小化を考えます。

会社の課税所得は役員給与支払い後の金額ですから、役員給与額を減らせば会社の課税所得が増えます。

役員給与の期中変更は税務で問題ありなので年額は期首に決まります。しかし業績は期末になってやっと分かります。これが役員給与決定の難しさです。

役員給与をどう改定するか


さて所得税と住民税の合計税率はどのくらいでしょうか。

課税所得(年収ではない)が1800万円超の部分への所得税住民税税率は50%、900万円超は43%、695万円超で33%です。

高額の役員給与への課税は累進で課税され最高50%です。

これに比べて法人への税率は随分と低く見えませんか。

役員給与が高すぎて法人は200万円の赤字になりました。

役員給与を1000万円少なくしておけばどうなったでしょうか。

法人所得は黒字800万円になります。中小800万円まで実効税率は約23%、その分184万円の法人税等が生じます。

個人所得は1000万円(厳密には給与所得控除後)減で最大その50%の所得税住民税の減です。

そして給与所得へは増税。役員給与を減らし法人所得増額がお得です。その検討が必要です。

会社の所得が幾らになるかは期首には分かりませんが、大家さんの不動産賃貸業など分かりやすい業種もあります。

ただ多めの役員給与にして会社をまっ赤にすれば税務調査が少ないという声もありますが…。


注…法人税率引き下げは2012年4月1日以後に開始する事業年度について、給与所得控除は2013年から適用されることに変更になりました。

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