減価償却の償却期間




会計上では減価償却の償却期間は勝手に決められ変更も自由



2011年3月7日 第823号

パナソニックは償却変更


会計上で減価償却の方法は自由に決定や変更ができます。

2010年3月期のパナソニック有価証券報告書(連結)には「…平成21年4月1日より有形固定資産の減価償却方法を定率法から定額法に変更しました。………この償却方法の変更により、平成21年度の減価償却費は11,031百万円減少しております。…」

定率法だと早く経費になります。半導体関連の設備ならば陳腐化が早いですから本来なら定率法なのでしょう。定率法なら早く償却でき、早期での設備の入れ替えがしやすくなります。

しかし逆に定額法への変更です。償却費が110億円減り110億円の利益かさ上げです。

かつて「定率法から定額法へ変更」なら「その会社大丈夫?」ですが、天下のパナソニックがやったのだからどこでも利益調整目的の償却方法変更OKです。

スズキは3年償却


自動車メーカー、スズキの鈴木修会長兼社長の著書「俺は中小企業のおやじ」からです。

「スズキは生産設備を平均して3年ぐらいで償却しています。たとえば、税制上の法定償却期間が10年となっている大型機械も、うちでは3年です。国が定めた償却期間は、当初は8時間労働を前提としてできているものと思いますが、スズキの工場は2交代で1日16時間、さらに残業と休日出勤の間も稼動しています。早く元がとれて当然です。…3年償却の原則を変える気はありません。たとえ、有税償却であっても、早め早めに償却していきます。

同社有価証券報告書は「機械及び装置と工具、器具及び備品は、製造部門において、稼働時間に応じた当社独自の増加償却を実施しています。」です。独自の3年償却制度なのでしょう。

税務と会計の違い


会計と税務は違います。税法の耐用年数が10年なら、税務申告では10年で計算しなくてはいけません。しかし会計上の償却期間は各企業が自由に決められます。スズキはそれが3年です。

本来税務の定めが10年とすれば3年で計算した減価償却費は多額になり、そのまま税務申告でその償却費を使えば所得が少なくなってしまうので問題が生じます。そこで税務申告では10年として計算をし直し、減価償却費の差額は経費とはしないで自主的に課税を受けます。


これが鈴木氏著書の「有税償却」という意味です。税務署は税務申告上で10年で償却すれば文句を言いません。そもそも個企業の会計上の償却方法にトヤカクいう権限などありません。

経営者のための貸借対照表


変わった償却方法は公開企業なら監査法人にはトヤカクいわれますが、監査のない中小企業は自由勝手気ままにできます。

経営者のための貸借対照表を考えます。自社専用の特殊機械を1億円で取得しました。ただ自社事業には有益でも換金性は皆無です。税務上の「耐用年数」が10年だからと10年で償却すればいつまでも貸借対照表上に換金性ない資産が残ります。

経営者が「自社の貸借対照表には換金性ないものは計上しない。自らの経営判断に役立つ貸借対照表とはそういうものだ。」と意思決定すれば、取得時に全額償却(経費化)していいのです。

極論すれば建物も機械もすべて全額即時償却していいのです。税務申告書上で税務が定める耐用年数での減価償却費との差額を加算修正すればいいだけです。

最初から税務署用と経営判断用と2種類の決算書を作成してもかまいません。つまり堂々たる二重帳簿の作成となります。面倒になって苦労するのは決算を行う会計事務所だけでしょう。


木造住宅の耐用年数は22年ですが、長崎名所グラバー邸は築148年、法隆寺は…。そもそも国税庁が「耐用年数」だなんていう名称を使いその年数を決めるのが越権行為です。だからまだ使える建物まで「耐用年数」経過と思われ価値ゼロと勘違いされて取り壊されてしまいます。

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