中小企業金融円滑化法でリスケをしたら




中小企業金融円滑化法でリスケをしたなら次の説明準備を



2011年12月5日 第859号

2009年12月の中小企業金融円滑化法(通称モラトリアム法)はリーマンショック経済危機下で亀井元大臣肝いりの法律です。銀行等は債務弁済負担軽減に努めるべし、と法律に定めました。

これにより中小企業が銀行に「返済が苦しいので返済条件の変更をして下さい」と言えばほとんどで対応してもらえました。全国で100万件を超える返済条件変更(リスケジュール…リスケ)がされています。


銀行側の心配は「引当金を積むか否か」です。リスケすれば「貸出条件緩和債権」です。その貸付金は「要管理先債権」に分類され一定額の貸倒引当金を積まないといけません。つまり貸付金の一定額は貸倒同様と扱うのです。それにより銀行業績悪化なら亀井大臣が何と言おうと返済条件緩和などできません。

そこで円滑化法施行と同時に「金融検査マニュアル別冊(中小企業融資編)」が改訂され銀行対応が変わりました。「要管理先債権」の基準を見直し、引当を不要にしたのです。

金融検査マニュアル改訂


本来は「実現可能性の高い抜本的な経営再建計画」を会社が策定していなくてはいけないのですが、それが策定されていなくても、中小企業なら1年以内の提出見込みであれば貸出条件緩和債権に該当しない、つまり引当不要となりました。中小零細企業が経営再建計画を策定するのはなかなか困難でもあり、「計画はそのうち出すから…」と言えばよくなったのでした。

さらにその計画について、経営者の実態に即し(つまり経営者の話を聞いて・経営者の資料に従って)銀行側作成の経営改善計画の資料でもOKとします。

また資産売却予定や経費削減予定がなくても、技術力販売力成長力を総合勘案すれば何とかなるだろうと銀行側が資料作成することでもOKです。

つまり何でもOK。多くのケースで、金利の利払いだけはそのままで取り敢えず1年間等は元本返済無用といったようなリスケが認められてきました。

円滑化法リスケ会社の今後


リスケの開始は簡単でしたが、その先が大変です。リスケ中のままなら新規融資困難で、過去らリスケ経験有りとなれば将来の新規融資の制約になります。

そして当初の計画策定からそろそろ1年が経過したはずです。

計画期間は3年とか5年計画が多いですから「今期の進捗状況は計画と比べて如何ですか?」と銀行員は聞いてきます。

計画書や銀行への説明では「毎年売上20%アップ」といった絵に書いた餅も多いはず。その絵に描いた計画でもリスケはOKでしたが、計画したのなら実績と照合が問われます。それは銀行としては当然の業務です。

今準備すべきことは「進捗状況は?」への回答を用意することです。予定通り達成ならいいのですが、「20%アップ」ができていなければ、それはこんな理由で、このように改善します、との次の作文を用意します。


銀行の担当者も手荒なことをしたくはありませんが、その担当者も上司に説明しなくてはいけない辛い立場です。担当者だって自ら手を下したくはありませんし、その作文で救われます。

もちろん営業キャシュフロー赤字脱出や債務超過脱出との目標に挑むのは当然のことです。それができなければ銀行うんぬん以前に現実に会社破綻です。

円滑化法のリスケは一時しのぎ緊急避難と再認識しましょう。

中小企業金融円滑化法の今後


この法律は2012年3月で期限切れになります。すでに1年延長されていますが、今回は不明です。ただすでにリスケを受けた会社にとっては延長されようとどうしようと同じです。計画を達成すること、それができないなら次の作文の用意です。

円滑化法は銀行にリスケを強要するものではなく、ましてや債権放棄を定めたものでもありません。安易に考えていると銀行から事業持続困難といわれてリスケ終了とともに破綻です。



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