資産流動化法の特定目的会社TMK




資産流動化法の特定目的会社TMKは融通がきく仕組みへ



2012年3月19日 第873号

資産流動化法が2011年11月24日に改正施行です。特定目的会社(TMK)を定める法律です。

不動産投資スキームとしてのTMKは合同会社等と比べて組織上簡素化が図られコストも安く、支払配当を税務上において損金に算入できるものです。

不動産証券化協会(2011.4)調査で調査対象635件のファンドのうち約20%の126件がTMKです。今改正は一部を除き既存の特定目的会社にも適用です。

当初SPC法と呼ばれた現行の資産流動化法は1998年の法律です。1997年には長銀や山一が破たんし、大量の不良債権処理を進める時代の法律でした。

その仕組みが「特定目的会社(TMK)」でした。資金調達や資産圧縮をオフバランス化して不良債権処理をすすめます。

そして社会は変わり、不良債権処理目的だったものが、不動産ミニバブルを経て不動産投資目的で使われます。不動産不況到来でTMK破綻も始まります。

そんな環境変化に対応し、都市開発への資金調達を容易にするための改正です。

TMKの投資ファンド化


TMKは資産流動化計画という計画書に基づき厳密に運用され融通が利きません。それゆえ投資家としては不動産の入れ物として安心です。事前に決めた当初物件である不動産又は不動産信託受益権しか所有運営することができません。

施行規則29条3が改正され、当初物件とは関連性がなくとも不動産信託受益権ならば追加取得することが可能となりました。

これまでは当初物件のみの所有でしたが、追加物件を計画書に書き加えることで、ドンドン追加取得可能になったのです。

つまり「特定目的」から「不特定投資目的」化し投資ファンド化もできそうです。収支悪化したTMKに高収益物件を持たせることで破綻回避に使えます。

ただし不動産信託受益権でなくてはいけません。実物不動産はTMK設立の当初物件としてはいいのですが、例外を除き追加取得ではダメです。


背景は、信託や資産流動化法を所管する金融庁と、不動産や宅建業法を所管する国交省とのナワバリ争い?。実物不動産は信託する前提が必要です。

また信託受益権だけでなく匿名組合出資の追加取得も可能です。匿名組合方式の投資案件は多く、不動産証券化協会調査でGK−TK方式といわれる合同会社匿名組合方式が70%超です。この匿名組合出資を資産としての追加取得対象にできます。つまりTMKが次々と匿名組合方式の不動産案件を買い増せます。

不動産担保の金銭債権、具体的には不動産へのノンリコースローン等も追加取得対象です。ローン債権を束ねて証券化するCMBC(商業用不動産担保ローン担保証券)のようなスキームにも近づいていきます。

実物不動産がダメなのは困ったものですがいろいろ使えます。

付随設備や資金調達見直し


また不動産以外の付随設備も明文規定で取得可能になりました。例えばホテル物件でのベッドやシャトルバス等のホテルと一体で使用されるものはTMKの取得対象になります。

都市開発への資金調達を容易にします。従来は借入金の扱い等に制約がありTMKは開発型では使いにくいものでした。

土地の一部売却代金で、その土地上に建築を予定する開発建物の工事請負代金の支払いに充てたり、分譲マンションの竣工前にそのマンション専有部分を第三者に売却し、代金をそのマンションの工事請負代金支払いに充てることも可能になります。

国交省投資ファンドス

キーム

国交省は同省が管轄する不動産特定共同事業法を改正します。

合同会社等に実物不動産を所有させ、不動産特定共同事業者に業務委託することで、倒産隔離された新たな実物不動産への投資スキームを創設しプロ投資家資金を呼び込もうとします。

ナワバリ争いが不動産投資の進化を進めさせているようです。



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