贈与と信託を組み合わせ




贈与と信託を組み合わせ、放蕩息子信託での財産移転



2012年9月3日 第895号

贈与と信託を組み合わせ、放蕩息子信託での財産移転

中世のヨーロッパ。十字軍に遠征するイギリス貴族は財産を、家族のために、信頼できる友人に託しました。戦争で負けると財産は没収されてしまいます。

友人の名義に移しておけばその心配はありません。そうして家族のために財産を残します。

財産の本来の所有者は「夫」。名義を「友人」に移します。名義は「友人」でもその実質は「夫」のままなのです。「信託」の成立過程での使われ方でした。

信託銀行でなくても信託


本来の所有者「委託者:夫」は不動産名義を「受託者:信託銀行」に移します。登記上の所有者は「信託銀行」となり信託銀行が不動産管理をし、不動産収益は「受託者:信託銀行」から「受益者:夫」に給付されます。

かつて信託は「信託銀行」しかできないと思われていましたが、「信託銀行」でなく「友人」でも民事信託として可能で(営利目的で反復継続するならダメ)、2007年の信託法改正後に一般化しつつあります。

本来の所有者は「委託者:夫」。信託により名義を「受託者:友人」に移します。名義は「友人」でもその財産の実質は「受益者:夫」のままなのです。

放蕩息子信託


よくある親の心配…「財産を子供に贈与し贈与税を払って相続税対策をするのはいいのだが、子供が放蕩して使ってしまうのが心配だ。」

収益不動産を親から子に贈与します。不動産の所有権は子に移ります。そのままなら子はその不動産を売却し放蕩します。

そこで贈与後にその不動産を父の友人に強引に信託させます。

贈与したのですから、贈与後の所有権者は「子」です。

「委託者:子」は贈与を受けた不動産を「受託者:父の友人」に所有権移転します。移転登記原因は「信託」です。受託者は不動産を管理し、その収益は「受益者:子」に給付します。

子は不動産収益を確実に得ますが、所有権は「父の友人」に移転しているので、子は勝手に処分できません。そして一定の期間が経過すれば信託は終了し、所有権を本来の所有権者である子に戻すことになります。

「受託者:父の友人」でなくても「受託者:父」でもOKです。

つまり子は親から贈与を受け、その親にそのまま信託します。親はこれまで通り財産管理でき、放蕩を恐れず贈与できます。


とことん子を信じないなら、父死亡後は受託者が「父」から「父の友人」に変更され信託継続という信託契約も可能です。

税務ですが、信託の際の所有権移転は、実質的所有権者が変わらなければ、不動産売却とか贈与とされての課税はありません(信託登記の登免税は課税)。

経営者の父は相続税対策として会社全株式を子に贈与し贈与税を払います。これで相続税対策完了。しかし未熟な子に勝手な経営をされるのは心配です。

そこで株式贈与の後に、子から親に株式を信託させます。株式には株主総会議決権がついています。つまり議決権は信託を受けた親が支配行使し続けます。

成年後見と信託


高齢者の資産管理等の仕組みに成年後見があります。成年後見人(裁判所が弁護士等を選任することも多い)が本人の利益ための財産管理等を行います。

本人のホーム入居のためや、生活費のための不動産処分は本人の利益のための財産管理です。

しかし相続税対策目的での処分・建設・抵当権設定等の不動産活用は、本人の利益でなく相続人の利益のための財産管理です。だから成年後見人は相続税対策の土地活用を認めません。

つまり成年後見では、相続税対策や子債務救済等の目的での不動産活用は一切できなくなるのです。生前贈与や新規の生命保険契約締結も同様です。

そこで信託。本人がしっかりしているうちに財産活用の方針決定をして親族等に信託します。

信託ならば認知症等になっても、事前方針通りに財産の活用、管理処分がなされていきます。




cats_back.gif





バードレポートとは


 
clip_blue_1.gif




前号

次号


関連する項目
相続税対策申告
路線価評価相続評価
物納と相続税調査
相続対策と遺産分割

このレポートと同じ年分リスト
2012年リスト




あんしん生命資料請求
  • 使わなかったら払った保険料が全額戻ってくる医療保険

保険ショップインフォ
  • 地域から探す
  • 保険ショップの使い倒し方

保険ショップ


バードレポート

Google
Web検索
当サイト検索

バードレポート項目別
不動産ビジネス手法
不動産賃貸経営
不動産と金融会計
定期借地権定期借家
不動産証券化
債務整理と企業再生
不良債権処理
債務処理の税務
相続税対策申告
路線価評価相続評価
物納と相続税調査
譲渡税買換特例
住宅税制住宅減税
固定資産税
税制改正
その他不動産税制
その他税制
相続対策と遺産分割
生命保険
その他不動産関連
その他
トピックス版・年別リスト
カネボウ劇場
発行元情報

バードレポート発行順
発行年順リスト
clip_blue_1.gif
clip_blue_3.gif