REIT新規公開増資




REIT価格上昇とREIT新規公開増資とREIT資産規模倍増計画



2012年11月5日 第903号

REIT価格上昇とREIT公開


好調なREIT価格を背景に2012年4月以降3件がREIT新規公開です。最後は2007年10月でしたので4年半ぶりです。REIT増資(新投資口の発行)も続きます。

REIT価格(増資価格)とREITの1口純資産が同じなら、一般の上場会社に比べてREITの増資は容易です。一般の公開企業なら増資により1株利益が希薄化して株価下落に向かいます。

しかし理屈上でREITは違います(現実には価格乱高下ですが)。

増資資金で既存物件と同等同条件の新規収益物件を買うからです。100増資したら、それに超低利(1%程度)の銀行借入資金100(REITで違う)を加え200の物件を買います。すぐ収益を生み、一株利益は希薄化しません。

またREIT価格は不動産価格と違う動きをします。時としてREITの1口純資産(例えば100)よりREIT価格(120)が高くなります(原状は高くなりつつある過程)。この時に120で増資します。

120のうち100で物件取得するだけで1.2倍の比率を保てます(比率の推移は三井住友トラスト基礎研究所がネットで公開)。

すると残り20は自由な資金です。既存借金返済等でREITの評価を高めることもできます。


REIT価格が上昇するとREITは増資をして物件を買います。

この状況で新規公開は魅力です。時価100で物件を買い集めたうえで公開すると120の時価総額になるのですから。

2008-2010年前半のようにREIT価格が純資産より低いときは逆に増資等は困難になります。

日本再生戦略でREIT規模2倍


2011年度末のREIT資産規模は8.5兆円です。閣議決定された「日本再生戦略」では、それを2015年度に1.4倍(12兆円)、2020年に2倍(17兆円)にするとの目標を掲げます。つまり毎年1兆円の資産規模増加です。

REITは増資額にほぼ同額の借入金を加え物件取得しますから、毎年5000億円の増資新規公開で1兆円の物件を買い続けさせます。前述のように、投資物件さえあれば増資は比較的容易です。

確実な買い手がいるのですから、大型開発物件も増えます。

逆に物件不足になれば、増資も困難になっていきます。

2012年1-8月のREITの物件取得は5200億円なのでこのままなら1兆円ぐらいは何とかなる?。

投資法人法改正での資金調達


この「日本再生戦略」には「J リート市場の活性化や不動産証券化手法の拡充のための制度整備等を通じた不動産投資市場の活性化により、資産デフレからの脱却を図る」とあります。

金融審議会ではREITの制度改革の議論が進んでいます。

自社株買い…REITには自社株買いは許されていません。そこでREITにも自社株(投資口)買いを認めさせる方向です。

ただしREITには利益ほぼすべてを配当するとの税法縛りがあり、自社株買いといっても手元資金となりうる減価償却額と売却物件簿価相当等が限度です。

新株予約権を使った株主割当増資…ライツオファリングと呼ばれます。金融危機等でREIT価格が純資産より低いときの第三者割当増資や公募増資は既存株主の価値を毀損してしまいます。

しかしすべての株主に新株予約権で増資を割り当てる株主割当増資なら平等です。増資に応じない株主は新株予約権を市場で売却できる仕組みにします。

一部の公開企業は使っており、これをREITにも認めさせます。

信用収縮時の円滑な資金調達に役立ち、この仕組みでリーマンショックを乗り越えた海外REITもあるようです。

アメリカREITと日本REIT


リーマンショックまでは日米のREITは似た値動きをしました。

それがリーマンを境に変わり、日本のREITは下離れしました。

リーマンショックの安値から見ると現在のアメリカREITは3倍に値上がりしています。

日本は上がったとはいえ1.5倍に過ぎません。分かりませんが、まだ上がる余地があるということなのでしょうか?。




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