2013年度税制改正




2013年度税制改正…REIT・不動産投資法人の買換特例適用



2013年2月4日 第915号

REITの仕組みと税制


REIT(リート)は不動産投資信託と呼ばれます。株式投資信託は法人格のない単なるファンドですが、不動産投資信託は法人です。上場REITの正式名称は法人格ある「○○投資法人」です。

投資法人が不動産投資します。一般投資家の投資対象はその投資法人の株式(正確には「投資口」)です。投資法人は得た利益(配当可能利益)の100%(法的には90%超、実務上で実際は100%…以下同じ)を株式配当します。不動産から得た利益は100%が投資家に配当されます。

通常の株式会社等では配当金は経費(正確には「損金」)になりません。利益全体に法人税課税がされ、税引き後利益の何割かが株主に配当されます

投資法人は利益100%を株主(正しくは「投資口投資主」)に配当金(正しくは「分配金」)として払えばその配当金が経費になります。利益100%配当ならそっくり経費となり、利益ゼロ。法人税なし、かつ100%配当だから高利回り商品となるのです。

見方を変えると、不動産収益を投資法人には課税せず、配当金として投資家に課税する仕組みです。個人の不動産所得なら現行最高税率50%ですが、投資法人からの配当は配当所得となり現行税率10%で済みます。

投資法人が買換適用すると


家賃収益なら100%配当しても保有資産は目減りしません。

しかし不動産売却益では問題が生じます。例えば昔200で取得した物件を300で売却し売却益100です。この売却益100も100%配当が強制されるのです。

投資法人の保有資産は売却前に時価300でした。しかし売却により売却益100相当を配当金として社外流出させるので保有資産は時価200へ目減りします。


さて投資法人でも特定資産買換特例(個人での「事業用資産買換特例」と同じ)が使えます。

このケースで、買換資産300を取得すれば売却益100のうち80が買換で圧縮されて課税繰り延べです。そして20だけが課税対象の利益となります。課税対象の利益が20だけなのだから投資家に対し20だけの配当で済まないか…ダメなのです。この場合でも100(課税所得20ではなく、配当可能利益100)を配当しなくてはいけませんでした。

一般法人なら20に対する税金(税率40%なら8)を支払うだけですが、投資法人が払うのは税金でなく利益100%相当の配当金です。それは8でも20でもなく、100なのです。これではせっかくの買換特例も使えません。

今改正で「一定の要件の下、配当可能利益の額から買換特例圧縮積立金(仮称)を控除する(税制改正大綱)」となります。

積立金の詳細は不明ですが買換で圧縮される利益の80でしょう。配当可能利益100からこの80を引き20だけを投資家に配当すればよく、その投資法人の資産目減りは20だけで済みます。

この改正は投資法人には安定経営のための有益な改正であり、不動産需要は拡大します。一方で投資家にとっては配当金が合法的に減らされうる改正です。

また対象は「特定資産買換の課税特例等を適用した場合」で、「等」の範囲が不明ですが、固定資産交換特例等にまで広がれば、より多様な展開が可能です。

(以上で数値は一部概算です)

REITの海外不動産投資支援


投資法人は別会社の出資や株式50%以上を保有できません。不動産投資に徹すべきであり、子会社をたくさん持つ事業法人のようになってはいけないという趣旨です。

しかし投資法人が海外不動産を取得しようとするとこれがネックになります。投資リスクの限定のためや、直接投資規制がある国(中国やインド等)への対応のため、その国で不動産所有目的会社(SPC等)を設立して不動産投資する必要があります。

そこで海外不動産の取得目的ならば50%以上保有してもかまわないという改正になります。

REITの海外不動産投資が容易になります。



REIT価格上昇とREIT新規公開増資とREIT資産規模倍増計画2012年11月5日 第903号




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