2013年度税制改正




2013年度税制改正…非上場株式納税猶予制度と不動産賃貸業



2013年2月18日 第917号

三大都市圏の都市農家では農地(生産緑地)を子が相続しても終生(死ぬまで)耕せば宅地並課税の相続税は払わず済みます。

子が終生営農を約せばその相続税は「納税猶予」とされ納税が延々猶予され続け、終生営農を果たしての死亡時に「納税猶予」は「免除」に切替わります。


もっともその免除時は孫への宅地並の相続税課税時です。孫も子のように終生営農を約し納税猶予するか…厳しい選択です。

江戸時代であるまいし国が仕事を一生縛ります。転職すれば膨大な税金と延滞税なのです。

非上場株式の納税猶予制度


「都市農家同様の特例を中小企業にも」。4年前に非上場株式の納税猶予制度が始まります。

非上場株式は中小企業株式です。創業者一代で築き歴史もあり地域雇用を抱える中小企業。収益力も蓄積もあればその株式の相続税評価額は高くなります。

二代目が相続税負担に耐えかねて倒産すれば雇用も失われます。雇用を守るために非上場株式の相続税負担を軽くする、という論法での制度創設でした。

二代目が創業者を助け業績拡大すると株式評価額も高騰し、その二代目自らが相続税で苦しむとのジレンマもありました。

「創業者から全株式の3分の2までの贈与を受け、創業者を無給引退させなさい。二代目が経営を頑張って続ければ、創業者死亡時の相続税を楽にする」制度です。兄弟の遺留分減殺を抑える民法特例まで用意しました。

株式贈与なので二代目へ贈与税が課税ですが、その贈与税は「納税猶予」とされ納税が延々猶予され、創業者が死亡した時に「免除」に切替わります。

ただ贈与税免除となったはずのその株式は相続財産として相続税の対象に入れられます。

ただし相続時の評価額でなくかつての贈与時の株式評価額(高騰前で低評価のはずの昔の評価額・逆転だと悲惨)で計算するので前述のジレンマは解消。

その上で相続税額のかなりの部分(株式の8割分に対する税額)の税額が「納税猶予」とされます。そしてその二代目が株式を持ち続けたまま死亡すると「免除」に切替わります。

この後は三代目、四代目が「納税猶予」と「免除」を繰り返し続けて、企業と雇用を守ります。

農地は「終生」ですが、中小企業は贈与後「5年間」に限り厳しい条件で頑張ってもらい、その後はそこそこで死ぬまで続けたら「免除」になる仕組み。

5年間は、当初従業員数の8割以上の雇用確保(大きな不安です)し、二代目は株式売却禁止で、代表者を継続します。つまり転職不可。破れば納税猶予はダメになり贈与税の納税です。


税制改正となります


創業者は引退したくありません。税制改正で、引退せず平取締役ならOKで、有給もOKに。8割雇用確保は毎年ずっとではなく5年間平均でOK。後継者は親族外でもOK。その他実務に配慮し使いやすくなります。

不動産賃貸業での納税猶予は


国はこの制度を地主の相続税対策には使わせたくありません。

全資産の7割以上が賃貸用不動産等なら資産保有会社とされて適用対象外です。会社収入のほとんどが受取家賃でも同様。

ただ抜け道がありました。

まず常時使用の従業員(社会保険加入)を5人以上雇用します。従業員は親族でもよく外注清掃業務等を自社内で行い不動産賃貸業で5人雇用を続けます。5人以上雇用を終生続ければ (5年間だけではダメ)「納税猶予」で最後は「免除」。ただし、従業員が5人を割ると納税です。


今税制改正で抜け道をふさぎます。5人の従業員は、二代目社長と生計一親族つまり妻子ではダメ、不動産賃貸の相手先が二代目の関係者等ではダメに。

親族を使ってのつじつま合わせ納税猶予は排除されます。

改正は2015年の贈与から適用なので、それまで従来基準なので駆け込みが可能かも…。

ずっと制約され続け、激変する経済下ではリスク覚悟です。





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