2013年度税制改正




2013年度税制改正…教育資金の一括1500万円非課税贈与



2013年2月25日 第918号

孫の教育資金の全てを、父ではなく同居の祖父が負担した家庭がありました。祖父が亡くなり相続税調査のある場面です。

調査官は「教育費を全て祖父に負担させましたね」と父に対し鋭い口調で問います。父はオロオロ、横に座る税理士に目で助けを求めます。税理士は落ち着いた口調で「何か悪いことでも…」。調査官は「別に…」。

調査官は厳しく問い詰めることで税理士の値踏みをしました。

税理士までオロオロしたら強気になって「祖父から父子への貸付金として相続税課税対象」だなんて言い出したのかも…。

祖父の負担する孫の教育費


扶養義務者相互間の生活費や教育費の負担はそもそも贈与税非課税なのです。子の私立大学医学部学費を親が負担しても贈与税などはかかりません。

民法は「直系血族及び兄弟姉妹は互いに扶養をする義務がある。」と定め、税法は「扶養義務者相互間において生活費又は教育費に充てるためにした贈与により取得した財産のうち通常必要と認められるもの」は贈与税非課税だと定めています。

祖父母も孫の扶養義務者です。親でなく祖父母でもいいのです。

私大医学部の1000万円の学費。大学が堂々と請求する金額について税務署が「通常必要と認められるものではない」と言えるはずもありません。贈与税の心配は無用です。1000万円の学費は祖父母の口座からと堂々と振り込んだらいいのです。


30歳の孫が会社を辞めて、米国にMBA留学しその教育費。

理屈では同じですが「通常必要と認められるもの」か心配です。ただ税務署職員は「お宅程度でMBAは不必要だ」とは口が裂けても言わないでしょう。

ただし教育費はその必要な都度払いが原則で、事前にまとめて何年分とか、その教育費で株式投資なら、それは贈与税です。

1500万円非課税制度の創設


税制改正での「教育資金贈与」がマスコミに大きく載りました。制度化されればかなり使われ、景気刺激材料になりそうです。

贈与者は子や孫(ひ孫)名義の金融機関の口座等に、教育資金を一括して振り込みます。

子や孫ごとに各1500万円まで贈与税非課税です。子孫は教育資金の領収証を金融機関に提出し払い出しを受けます。子孫が30歳になったときに使い残しがあれば贈与税課税となります。


税制改正大綱には「金融機関に信託等をした場合」とあります。一定の教育資金以外は支出されないという信託商品が発売されるのでしょう。「等」なので信託に限らず一般金融機関も商品化を目指すでしょう。

さて税務署は金融機関を出先機関として使うことにしました。教育資金非課税申告書は金融機関経由で税務署に提出します。

面倒なことは金融機関に押し付けます。教育資金の領収証も税務署にではなく金融機関に提出させます。金融機関はその領収書を子孫36歳(贈与税課税処分は6年間可能なので30歳の6年後)までの保存義務を負います。何と最長で36年間の保存義務です。金融機関も苦労します。

教育資金の範囲はどこまで


さてこの教育資金は、(1)学校等への入学金等と(2)学校等以外への支払いで一定のものです。

(2) の「学校等以外」は上限500万円で文科大臣が範囲を定めます。学習塾、予備校、水泳ピアノ、資格試験、英会話、家庭教師、海外留学と渡航費、鉛筆ノート参考書、弁当代、通学定期…さてどこまでになるのか。

多額の相続税が心配な層は、取り敢えず孫にそれぞれ1500万円贈与となりそうです。孫の数×1500万円がそっくり相続税課税対象から外れます。

ただし亡くなる直前、例えば3年前までの教育資金贈与について相続対策としての節税封じ策が規定されるかが注目されます。


2013年4月から2015年末までの贈与が対象とされます。ただしいったん制度化されたらそう簡単には廃止できずに、延長が続くのではないでしょうか。



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