耐震診断義務と耐震安全マーク




ビルオーナーへ耐震診断義務・耐震安全マークでビル差別化



2013年5月20日 第929号

社会インフラは一斉に老朽化し、米国では橋が落ちました。日本ではトンネル崩落。建物も老朽化で地震不安が重なります。
地震による建物倒壊は直接の人的被害だけでなく、道路寸断を引き起こします。阪神淡路大震災での、倒壊して道路を塞いだビルの写真は衝撃的でした。
道路は避難消火活動の生命線で復興への大動脈です。道路を守らないといけません。

都:緊急輸送道路沿道耐震化


東京都は重要な幹線道路1000キロを指定し、建物倒壊から道路を守る政策を進めています。そのために、この道路沿い建物の耐震診断を義務化しました。
義務化の条例が都議会で可決されたのは偶然にも2011年3月11日で大震災の1時間前でした。
指定道路沿い建物の所有者には義務を課します。旧耐震建物で、もし前面道路に向けて建物が倒れたとして、道路幅員12m超なら道路幅員の半分以上ふさぐ建物、幅員が12m以下ならば道路を6m以上ふさぐ建物です。オフィスビルや分譲マンションも対象で、対象棟数5000棟です。
耐震診断は義務、その結果の報告も義務で、理由なく耐震診断しなければ建物名公表と最大50万円の罰金。耐震診断を受けないという事を社会悪とし制裁対象とします。なお耐震診断は義務、耐震改修は努力義務です。
耐震診断を義務とするからには補助金です。ビルの耐震診断はだいたい数百万円です。
国や都以外に各区独自の補助もあり所在区により補助が違うし、また耐震診断費用実額にもよりますが、すべての分譲マンションと延床1万u以下の建築物は全額補助、延床1万u超の建築物は所有者1/5負担といったケースが多いようです。大規模ビルは大会社保有だろうから一部自己負担ということです。
同様に耐震設計・計震改修についても補助があり、建物除却工事・建替えとしても耐震改修への補助額が補助になります。

都:耐震安全マーク表示制度


一方で東京都は「東京都耐震マーク表示制度」を始めました。これら道路沿い新耐震等の建物に15センチ四方のいわば「耐震安全ステッカー」を配布します。
新耐震には「新耐震適合」、旧耐震で耐震基準適合なら「耐震診断済」、旧耐震で耐震改修なら「耐震改修済」と書かれます。つまり「耐震安全建物」には「耐震安全ステッカー」です。
建物所有者にではなく建物利用者に「耐震」を意識させます。
ステッカー有のビルに入居したいと思うのは当然で、将来の世論次第では「耐震危険ステッカー」強制貼り付けなんていう事態にまで進むかもしれません。

国:耐震改修促進法の改正


国は耐震改修促進法を改正し、都を追いかけます。4月23日に衆議院を通過し参議院待ちです。
東京都は重要な道路沿い立地限定で全用途を対象としましたが、国は床面積5000u以上建物について用途を限定し、立地は問わずに耐震診断義務化です。
対象は病院、店舗、旅館等の不特定多数の者が利用する建築物等です。劇場・ホール・映画館・商業施設・ホテル・旅館等とも報じられており、オフィスビルやマンションは対象外です。

また自治体が一定の道路沿い建物を指定すれば東京都のようにオフィスビル等も対象です。
耐震診断は義務です。個別の診断結果はすべて公表されます。診断をしなければ罰金です。
耐震改修工事での容積率建ぺい率超過への特例、区分所有マンション耐震改修への総会決議は3/4賛成でなく1/2賛成へ緩和との特例も改正法に含まれます。

国:耐震安全性の認定制度


国も耐震安全性の認定制度を新設します。法律では立地や用途の限定もなく単に「建築物」なら対象です。新耐震ならそれだけで認定OKと思われます。都同様に耐震安全ステッカーが配布されるのかもしれません。
東京都は重要な道路沿い限定、こちらは立地の限定はなしです。認定ステッカーの有無で人気・価格・賃料に差がつくでしょう。


地震崩壊での工作物責任・耐震性による更新拒絶の正当事由2013年4月22日 第926号




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