中小企業融資への保証人




中小企業融資への保証人のこれからと金融円滑化法終了



2013年6月3日 第931号

第三者から個人保証をとって、債務者本人にとことん貸し込み、「腎臓や目ん玉売って金作れ!」と保証人に対しても強烈に取り立てた「日栄」や「商工ファンド」等が社会問題化し非難されたのは10年前です。
無理な個人保証に対する社会の目は厳しくなりました。

「現在および将来負担する一切の債務を保証します」という青天井の保証である包括根保証を銀行も多用しましたが、民法改正で2005年に禁止されます。
2011年には、金融庁は銀行に対して、中小企業や自営業者には原則として第三者連帯保証をとることを禁止しました。

破綻経営者に個人資産を残す


中小企業経営者は会社の連帯保証人です。中小企業庁と金融庁と「中小企業における個人保証等の在り方研究会」の報告書が公表されました(2013.5.2.)。
会社が破綻なら保証人である経営者は個人資産を身ぐるみはがれます。処理をスムーズに進めるために少しは個人資産を残してあげよう…ということです。
案には「債権者の判断により、例えば、一定期間の生活費に相当する額や華美にならない自宅を残存財産に含めるなどのインセンティブの付与を可能とする仕組みが考える」とあります。
経営者が会社から完全退出なら400万円(=33万円×12カ月)、経営続投なら99万円+華美でない程度の現居宅、という具体的提案も研究会資料にはあります。
個人資産を幾分は残してあげるから、自殺や一家離散に至らないように、経営者は早めに諦めなさいという制度です。
具体的指針に向けて銀行等と検討に入り今年度中に概要決定を目指します
(日経2013.4.23.)。

民法改正中間試案での保証


また、民法改正の中間試案が公表されました(2013.2.26.)。個人保証について具体案が提示され引き続き検討されています。
「裁判所は主たる債務の内容、保証契約の締結に至る経緯やその後の経過、保証期間、保証人の支払能力その他一切の事情を考慮して、保証債務の額を減免することができるものとする。」
当事者の契約や合意に関わらず、個人保証での債務保証額は裁判所が減免できるとの案です。
「…保証債務の内容が…保証人の財産・収入に照らして過大であったときは…、債権者は…保証人に対し、保証債務の過大な部分の履行を請求することができないものとする。」
保証額が過大な保証契約なら、その部分は無効との案です。
個人保証は契約自由でなくなり借地借家のように国が介入するのかも…。結論はまだ先です。

「腎臓売れ」日栄のノウハウ


保証人に依存せず、保証人にやさしい社会へ向かう流れです。ただ銀行から見れば保証人が居るからこそ融資できます。
保証人から回収が困難なら融資に二の足を踏んで当然です。
「腎臓売れ」の旧日栄を買収した会社の株価が証券市場で何倍にも急騰しました。保証人なしなら銀行は貸し渋るだろうと、日栄の審査保証回収ノウハウが

期待されたからとのことです。

金融円滑化法は3月で終了
銀行にとっての金融円滑化法とは「リスケ (返済計画見直・返済猶予) 債権でも不良債権に該当させない」ということです。
「だから手荒なことをするな」と金融庁が睨みを利かせ、膨大な債務者からのリスケ申し出に銀行はノーと言えませんでした。
円滑化法が3月末終了したからは不良債権とされ、再リスケなど本来困難なはずですが、当面は再リスケも何とかOK??
参院選までは金融庁は厳しくにらみ続けるでしょうが、このままなら金融機関の実態の財務体質が劣化します。この状況のまま永続できるはずありません。
体力がある金融機関は本音では最終処理を進めたいはずです。そして個人保証の扱いが変われば、処理は進めやすくなります。
4月の倒産数は22年ぶりの少なさ。任意売却も競売物件も民事再生も減少しました。いつか一気に吹き出るかもしれません。

金融円滑化法2013年3月終了で、倒産・競売・任意売却は2012年9月24日 第898号


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