新REIT「星野リゾート」




利益相反なのか運命共同体なのか…新REIT「星野リゾート」



2013年8月5日 第939号

日本最大REITである日本ビルファンド投資法人の胴元は三井不動産。利益相反と言われないよう三井の名を外しました。
三菱地所も同様でした。そんな真面目な時代のREITです。
最近のREIT名は「○○不動産投資法人」と堂々胴元社名入り。
胴元は物件を配下弟分REITに買わせ、サブリースで後の収益まで吸い上げます。それでも兄貴分のお蔭で物件仕入ができると弟分(と投資家)は感謝します。

胴元との運命共同体REIT


その先を行く新リート「星野リゾートリート投資法人」が上場です。スポンサー(胴元)も、単一テナントである賃借人も、リート運営会社も、全て星野リゾートとその関連会社です。
運用資産は6物件150億円。
旗艦物件の旅館「星のや軽井沢」は76億円で、土地建物とも胴元所有の物件でした。
土地所有権は胴元に残し、リートが権利金5億円(76億円に含む)で胴元から30年普通借地で借り受け、建物は胴元から買い取り、胴元に20年定期借家でリースバック。年間固定賃料6億円又は売上歩合で前年売上額なら6.4億円。他にホテル1軒旅館4軒で、違いはあるもののどれも買取って新たに賃貸です。
全物件で境界確定できていません。検査済み証ない物件に設計施工者不明物件。従来のREITの常識では非常識物件でも、古さも魅力の温泉旅館はこれでいいのでしょう。
不動産鑑定評価書には潜在収益力との記載がありますが、この胴元が運営するからこそでしょう。だから見方によっては、借地や借家契約を駆使し胴元の「やりたい放題」。
テナント賃料が不動産価格を決定する賃貸ビルと違い、旅館はどこまでが運営能力で何が不動産価値かの線引きが困難です。

胴元は同一旅館名で室数30程の旅館9軒を運営しており、内4軒をリートに移しました。
30室の旅館が30軒にまで増えれば900室です。帝国ホテルと同規模で、規模の利益を追え、営業専担部署も可能です。
これら旅館は再生案件です。
胴元が30軒を目指すなら、リートは胴元のため破綻旅館の再生案件を買い続けます。
賃貸ビルなら胴元が変わっても同収益を確保できるはずで、だから利益相反を言われます。
しかし胴元の運営能力に頼るしかないREITとなれば違います。
何と言われようが胴元に運営ノウハウをつぎ込んでもらうしかなく、利益相反を乗り越え胴元につくす運命共同体REITです。

やりたい放題リートの可能性


星野リゾートのような真面目な(?)胴元はいいとしても、ここまで「やりたい放題」可能なら、REIT上場審査さえクリアすれば何でもアリ。

以下は空想上のリートです


「吉野家牛丼リート」。リートが店舗をドンドン買い、実質胴元所有店舗ばかりに。賃料設定は売上歩合もOK、星野リゾートなら旅館別に歩合25・16・15%と変えており、かなり任意に決められそうです。「ユニクロ店舗拡大リート」も同様。
セールアンドリースバックでの胴元所有物件の資金化に「パナソニック工場専用リート」。
上場審査に苦労はしても収益力抜群の「パチンコ屋リート」。
観光立国で拝観料キャシュフローでの「法隆寺等国宝リート」。
ただ銀行は甘くありません。
星野リゾートリートの有担保7年借入金は固定2.46%。日本ビルファンド投資法人のほぼ同時期の無担保8年は1.04%。差は1.4%もあります。
差は利回りに直結し、借入比率50%で1.4%違えば投資家利回りは0.7%違います。
米国のREITは経営者が内在する会社形態ですが、日本のREITは物件を入れる単なる箱。だから利益相反が問われます。
逆に単なる箱だから運営能力ある胴元が必要物件を配下REITに買わせる一蓮托生ビジネスモデルが成立しそうです。
ただ今回は胴元自身が上場すればいいんでは?との声も



利益相反なのか運命共同体なのか…新REIT「星野リゾート」2013年8月5日 第939号



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