自社株買いとライツオファリング




REITにも解禁される自社株買いとライツ・オファリング



2013年8月19日 第941号

REITにも自社株買い解禁


野田政権時代の「日本再生戦略」には、資産デフレ脱却へREIT制度整備。6月の金融商品取引法等改正でその整備が完了です。
REITにも自社株(自己投資口)買いが解禁されます。
自社株買いは1株(1投資口)利益や1株純資産を増加させるのでREIT株価を底上げできます。
例えばリーマンショック後のようにREIT1株の不動産時価1000円なのに株価が700円まで下がっていれば、不動産を売却しての自社株買いが可能です。
株価の時価割れ、ディスカウント株価の解消を目指せます。

REITには利益はすべて配当せよとの税法縛りがあるために、自社株買い限度額は償却費プラス売却物件簿価額となります。

REITのライツ・オファリング


REITにもライツ・オファリング(別名ライツ・イシュー)が解禁です。有償増資の新株予約権を株主割当することです。
外部への増資は1株利益希薄化等で既存株の価値を奪います。
1株当たりの不動産時価1000円なのに金融危機で株価700円まで下落しました。
生き残りをかけた資金調達のために、外部への増資を強行すれば既存株主の価値が確実に奪われます。そもそも外部は増資に応じてくれないでしょう。
株主に助けを求めます。株主割当増資。全株主に新株予約権(以下「予約権」)を交付します。
1株200円での有償増資の予約権を株式1株毎に無償割当します。「わずか200円払えばもう1株」。これに応じないと損しそうなので、全株主がイヤイヤでも増資に応じるかもしれません。
しかし200円の金がない株主への配慮が必要です。この予約権を市場で売らせます。

増資後に株式1株450円になるとすれば予約権1個は250円で売れるはず。買い手は250円で予約権を買って200円を払い込めば450円になります。
予約権を市場流通させる環境を用意すれば、既存株主の価値は奪われないという理屈です。

実際のライツ・オファリング


一般上場企業で既に使われていて広がりそうです。消費者金融Jトラスト社が実施しました。
5月13日の同社株価は最高値更新で4560円。その翌日にライツ・オファリングを発表です。
5月30日時点の株式1株に、払込額1800円での予約権1個を割当てます。払込期限は7月30日。払い込まないと予約権は失権。
この発表に投資家は「ライツ何とか?何それ?」信用取引だと特に複雑で、連続ストップ安。
筆者は「勉強のつもり」で、ここで1株2900円(100株29万円)で買いを入れました。
5月30日の予約権割当完了後の株価は2100円です。株価が2100円で落ち着けば、1800円で株を取得する権利である予約権1個の価値は300円のはずです。
証券市場ではその通り1個300円で予約権の売買が始まります。
しかし株価は1800円を目指し下落。1800円で入手可能な株は1800円と考えるのが、理屈ではなく人情でしょう。もし1800円となれば予約権はゼロ円となるはず。筆者は割り当てられた予約権を130円で狼狽売り(ネット証券で簡単に売買可能でした)。
株価は最終的に1800円へ。予約権もほぼ0円へ。筆者には「高い勉強代の、いい勉強」でした。
発行された予約権の86%が行使され976億円の資金調達です。
株価4560円の翌日に1800円との発表は罪作りでも、理屈上では既存株主に損の生じないライツ・オファリングです。
この会社のオーナー社長は株式半数を握り割当予約権全個分488億円、つまり調達総額の半分を払い込み(どんな資金源?)。
この間に米国ファンドやゴールドマンサックスが突然に株式大量取得(株価を下げてから?)。
さて何がどう動いたのか??
金融監視委員会の委員長は「増資関連では最近広がってきた株主割当増資に関心がある。
日本では新しい手法でどのように使われるのか監視している(日経ヴェリタス2013.8.11.)」。


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