消費税経過措置




建物賃貸借契約の消費税経過措置・税率5%と8%の損得



2013年9月2日 第943号

新築マンションや住宅請負契約の消費税経過措置の9月末駆け込み契約が佳境です。

建物賃貸借契約の経過措置


住宅家賃は消費税非課税ですが、課税となるビルや店舗の建物賃貸借契約には経過措置です。
例えば、9月末までに締結した期間10年間のビル店舗の建物賃貸借契約は、条件を備えれば、10年間は税率5%のままです。
その条件は、(1)貸付期間とその間の賃料が定められている契約で(2)事情変更による賃料変更条項のない(つまり家賃変更ができない)契約です。

借地借家法の賃料増減額請求権までは気にせずよく、中途解約条項があっても問題なしです。
現在継続中の期間10年賃料固定の該当契約の賃料は経過措置の対象となりずっと5%です。
2年契約なら9月末までに10年に直せば10年は5%。賃料変更条項あれば削除してずっと5%。
相続税対策目的の資産管理会社等の同族間取引でも可能です。 
なお不動産では見かけませんが売買同然の賃貸借(ファイナンスリース)には例外規定あり。

原則…経過措置で損得なし


ビル店舗の建物賃借人、特にサブリースを展開する不動産賃貸管理会社の立場を念頭に、個人オーナーとの関係を見ます。
事業者は税務署に消費税を申告納税し、原則の「消費税納税額=預り消費税−仮払消費税」。
賃借人側は、経過措置のお蔭でオーナーに払う消費税8%8万円が5%5万円で済み3万円ラッキー!。でも本当に得したの?
8万円払えば8万円を「仮払消費税」として引けます。しかし5万円で済めば5万円しか引けず、上の算式で3万円多く納税になります。3万円を税務署に払うのかオーナーに払うのかの違いだけで、得などしていません。
オーナー側は何となく3万円損した気分。でもオーナー側の「預り消費税」は5万円なので5万円分だけ税務署に払います。8万円受け取ったら8万円分払います。単に「いって来い」なのです。損などしていません。
両者とも消費税原則課税の事業者なら5万円でも8万円でも実負担は同じで損得無しなのです。

3万円を損したと思い込み、落ち込んでしまったオーナーにはちゃんと説明しましょう。
家賃改定すれば(又は自ら税率8%にすれば)経過措置から外せて8%にでき、損得無しならオーナーに気前よく8%を払えます。

例外…免税事業者と簡易課税


注意はオーナーが原則課税ではなく、免税事業者(2年前の課税売上が1000万円以下)や簡易課税選択(同5000万円以下)のときです。賃貸住宅(非課税)を多数所有していても賃貸店舗一軒だけなら、免税かもしれません。
免税なら消費税を受け取っても納税無用なので消費税は手取りです。5万円が8万円に増えれば手取り増、つまり益税増です(益税分には所得税課税です)。
簡易課税なら5万円から8万円へ3万円増えても税務署への納税額は1.5万円しか増えません(不動産賃貸では半分を仮払消費税と見なす為)。清掃費等への仮払消費税実額は仮払消費税と見なした額(半分)より少ないはずで免税同様に益税増です。

一方、賃借人側が原則課税なら5万円でも8万円でも実負担は同じで損得無しなのでオーナーに8万円払い喜んでもらえます。
オーナーの課税売上が5000万超過なら物件一部法人化で簡易課税にする節税策もあります。

現実…それぞれの事情で


以上は消費税の「理屈」です。
賃借人もオーナーも非課税売上がなければ「理屈」通りです。
しかし例えば住宅サブリースを行う賃貸管理会社なら住宅家賃は非課税売上ですし、業種や会社ごと現実の扱いが違います。
賃借人側の免税・簡易課税・原則課税・課税売上割合・控除計算方式等で異なってきます。
もしオーナーに払う消費税の全額を引けなければ、免税や簡易課税のオーナーとの利害は逆となり5%経過措置が有利です。
自社の立場を税理士さんに確認の上でオーナーと接します。

新築マンション消費税増税駆け込み期限と賃貸借消費税特例 2013年5月6日 第927号



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