非嫡出子相続分




非嫡出子相続分規定は憲法違反との最高裁決定



2013年9月23日 第946号

「子が数人あるときは、各自の相続分は相等しいものとする。ただし、嫡出でない子の相続分は、嫡出である子の相続分の二分の一とし…、(民法900条4号)」
婚外子の相続分を嫡出子の半分と定めた民法の規定です。
この規定が法の下の平等を保障した憲法に違反するとの最高裁決定になりました。

1995年の合憲最高裁決定は


1995年の最高裁はこの規定は合憲だとしました。
「相続制度は家族というものをどのように考えるかということと密接に関係しているのであって、その国における婚姻ないし親子関係に対する規律等を離れてこれを定めることはできない。…被相続人の子である非嫡出子の立場にも配慮して、非嫡出子に嫡出子の二分の一の法定相続分を認めることにより、非嫡出子を保護しようとしたもの」

日本では結婚し夫婦間で子をつくる考え方を尊重する。
一方で婚外子は夫婦間の子の半分の相続分を認め保護する。
法律婚の尊重(国の姿)と婚外子の保護(個の尊重)の調整を図るためのものだから、差があっても合憲だとの考え方でした。


2013年の合憲最高裁決定は


最高裁は判断を変えました。
日本の婚姻家族の形態が多様化し、また欧米諸国はどこも平等であり、国連委員会から勧告も受けている等を述べ、その上での最高裁の結論となります。
「家族という共同体の中における個人の尊重がより明確に認識されてきたことは明らかであるといえる。そして、法律婚という制度自体は我が国に定着しているとしても、(このような)認識の変化に伴い、(法律婚の)制度の下で父母が婚姻関係になかったという、子にとっては自ら選択ないし修正する余地のない事柄を理由としてその子に不利益を及ぼすことは許されず、子を個人として尊重し、その権利を保障すべきであるという考えが確立されてきているものということができる。……遅くとも2001年7月当時において憲法(法の下の平等)に違反していた(2013.9.4.最高裁決定)」
1995年の段階では、法律婚尊重と婚外子保護の調整がより大切でしたが、社会が変わり、より大切なものが変わりました。
個人の尊重が認識され、個人の平等が、そんな調整よりも大切なものになりました。2001年7月(問題となった相続の開始日)時点ですでに大切なものは変わっていたので違憲なのです。

いつの相続から対象になるか


今回の最高裁決定以降開始の相続は、民法改正を待たずこの決定に従うことになります。
また、すでに確定したものに影響しませんが、未分割のままの相続(2001年7月以降開始)で、これからの遺産分割は対象です。

立場によって…


ジャーナリストの櫻井よしこ氏 (同氏自身は婚外子が別にいた嫡出子の立場)は(週刊ダイヤモンド2013.9.14) 、
「子は平等・子に罪はない・子は親を選べない、と言われれば、反論のしようはない。すべての子が等しく幸せに育ってほしいと思わない人はいない。
……(違憲の決定は)よいことである。(しかし)それを逆の側から見るとどうなるのか。婚外子の反対側にいる嫡出子、婚外子の母の反対側にいる妻などの心の葛藤や悲しみである。」
「非嫡出子の相続分が嫡出子の半分であることがいけないというが、家庭外で子どもをつくることはそういう結果を伴うという覚悟を母親の側が持つのが本来の姿であろう。父親は婚外子にも平等に分けてやろうと考えれば、その旨遺言を残すことができる。最高裁の判断で平等を担保するより、日本人が責任ある大人として考え、振る舞えばよいことなのだと私は思う。」
哲学者の長谷川三千子氏は(産経新聞2013.9.12.)、
「そもそも人間を『個人』としてとらえたとき、(自らの労働によるのではない)親の財産を相続するのが、はたして当然の権利と言えるのでしょうか?」


cats_back.gif





バードレポートとは


 
clip_blue_1.gif




前号

次号


関連する項目
相続税対策申告
路線価評価相続評価
物納と相続税調査
相続対策と遺産分割

このレポートと同じ年分リスト
2013年リスト




あんしん生命資料請求
  • 使わなかったら払った保険料が全額戻ってくる医療保険

保険ショップインフォ
  • 地域から探す
  • 保険ショップの使い倒し方

保険ショップ


バードレポート

Google
Web検索
当サイト検索

バードレポート項目別
不動産ビジネス手法
不動産賃貸経営
不動産と金融会計
定期借地権定期借家
不動産証券化
債務整理と企業再生
不良債権処理
債務処理の税務
相続税対策申告
路線価評価相続評価
物納と相続税調査
譲渡税買換特例
住宅税制住宅減税
固定資産税
税制改正
その他不動産税制
その他税制
相続対策と遺産分割
生命保険
その他不動産関連
その他
トピックス版・年別リスト
カネボウ劇場
発行元情報

バードレポート発行順
発行年順リスト
clip_blue_1.gif
clip_blue_3.gif