贈与翌日売却での3000万円控除は




自宅の贈与を受けてその翌日に売却での3000万円控除は



2013年10月21日 第949号

「私は父から使用貸借により土地を借りて居住用家屋を所有していましたが、その家屋の敷地を父から贈与により取得した後直ちに家屋と共に譲渡しました。…家屋と敷地につき居住用の特例を受けられますか?」
敷地の贈与を受けて直ちに売却した。その土地建物にずっと居住していた。これで、居住用譲渡の3000万円控除は使えるか。
税務特例適用を目的として一時的住んでもダメです。「居住用を装った」に過ぎませんから。
上記は東京国税局担当官執筆の質疑応答集から「贈与により取得した居住用家屋の敷地を直ちに譲渡した場合」の質問です。
回答は「土地は従来から自己の居住用家屋の敷地として使用されており、
特例適用を受けることのみを目的として一時的に居住用家屋の敷地の用に供されたものとはいえません。…特例適用を受けることができます。

贈与して直ちに売却します


専門家がこの回答を基に提案します。「ずっと居住していたのだから、親から(回答でのように土地だけでなく)土地建物持分の贈与を受け直後に売却しても特例OK。贈与しましょう。」
子は10年前から親所有の土地建物に住み続けていました。
平成18年7月1日に土地建物持分1/2を親から子へ贈与契約。
7月18日贈与登記。
7月19日6500万円で売買契約。
19年3月12日に贈与税申告。
19年4月19日土地建物引渡し。

こんな提案だったのでは…


売却益を6000万円とします。
「このまま売却なら親は譲渡税率20%で譲渡税1200万円です。
売却前に持分1/2を子に贈与します。子には居住用なので3000万円控除が可能になります。
売却益1/2の3000万円分が子への課税対象ですが3000万円控除で子への譲渡税ゼロ。親の譲渡税600万円だけで済みます。」
「直前の贈与でもいいの?」
「居住している事実があるので、売却直前贈与ですぐ売却しても居住用の特例は使えます。」
「贈与税はかからないの?」
「2500万円までは贈与税はかからない制度があります。路線価は時価より低いから贈与税もほぼゼロでしょう。」
売却益6000万円で持分各2分の1、子3000万円は3000万円控除で税ゼロ、親の3000万円への譲渡税600万円だけで済みます。
贈与税は2500万円非課税枠でほぼゼロです。(売価が決まっているのであれば、路線価で贈与できるかは問題があります。)
贈与後直ちに売却しても、ずっと居住していたのは事実だし、3000万円控除は使えるはず…から出発したハイレベル提案です。
ただ贈与時に売却意思決定済みだったことが問題となります。

税務署を舐めんなよ


「贈与登記の翌日に売買契約締結だと。税務署を舐めんなよ」
…と税務署は子の3000万円控除を否認します。子へ税率20%600万円と加算税の課税処分です。
子は争い、「(3000万円控除には)所有期間と居住期間についての定めはないから、所有者になってからの居住期間が短かかったとしても」特例は使えると質疑応答集のように主張します。
しかし結論は「当該家屋を、所有者として居住する意思を持って、居住の用に供していたことを要する」からダメ。(国税不服審判所 平成22.6.24.裁決。数字等一部直しています。)
贈与を受けてからが所有者であり、所有者になった時点ですでに売却の意思決定済みで所有者として居住する意思はなく、特例適用不可との結論です。

どのくらい前ならいいのか


贈与時に売却話が進んでいたら特例はダメということです。
しかし売却までが短期間でも状況があやふやで立証困難なら税務署も課税できないでしょう。
同じ質疑応答集には、「3か月しか居住していなかったけれど、転勤となり売却した」のなら特例OKという回答もあります。
「何日前に贈与すればいいの?はっきり答えて!」 うーん、答えに詰まる微妙な個別問題です。一日も早く贈与して下さい。


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