相続税取得費加算改正




2014年度税制改正…相続土地売却への相続税取得費加算改正



2014年1月13日 第960号

相続税増税の一波二波三波


増税第一波は2010年度税制改正で2010年4月相続分から増税。
老親だけの居住用である実家や賃貸アパート併用自宅への評価減適用が厳しくなり、実家相続と併用住宅相続に対しての相続税ショックです。
増税第二波は2013年度改正で、2015年1月相続分から増税です。2011年度の改正予定でしたが震災で2年遅れとなりました。
基礎控除が縮小され、相続人3人なら8000万円が4800万円になり相続税大衆課税時代です。最高税率50%は55%へ引き上げ。
増税第三波は、今回の2014年度改正で、2015年1月相続分(売却分ではない)からです。
相続税そのものの増税ではなく「相続財産に係る譲渡所得税の課税の特例」という、相続税を納税するために土地を売却した際の譲渡所得税の増税です。

納税者から見れば相続税がらみの税金、相続税のようなもの。実態は相続税の増税と同じです。
増税第三波は大地主さんの相続に大きな影響を及ぼします。

相続税の取得費加算の仕組み


相続開始から3年10ケ月内の相続土地売却には、土地への相続税額相当までの土地売却益が非課税になる特例があります。
「相続税の取得費加算」と呼ばれ、相続税額を取得費(土地の原価)に加算でき、その結果として非課税になります。
各1億円のA・B・C土地、計3億円を相続し、3つの土地全てへの相続税1億円(税率33.33%)。
ここでA土地のみ売却しても相続税1億円(=3つの土地全てに対する相続税額)が取得費に加算され、売却益1億円までは譲渡税ゼロ(相続人単位。遺産分割、債務、物納等で変わる。)。
つまり相続税1億円なら1億円の譲渡所得の非課税枠です。
財産が土地だけの先祖代々大地主さんは、相続税額丁度の売却でも譲渡税ゼロ。全額が手取りとなるので相続税が払えます。

相続税の取得費加算の増税


今回の税制改正により、「土地全てに対する相続税」でなく「売却土地に対する相続税」だけが加算の対象となります。
A土地に対する相続税は3333万円(1億円×33.33%)です。
A土地売却での非課税枠は1億円から3333万円へ激減です。
課税対象はゼロから6666万円に増大し、譲渡税率20%なので譲渡税1333万円が課され、必要な手取り1億円に不足します。
1億円の手取りを残すにはA土地を含め1億1538万円分の売却です。非課税枠は3846万円(1億1538万円×33.33%)で、課税対象が7692万円(1億1538万円−3846万円)、譲渡税は税率20%1538万円、手取り1億円。約15%も多くの売却を強いられます。
各1億円のA・B・C・D・E計5億円を相続、相続税が1億円(相続税率20%)。これまでは1億円売却で足りたのに1億1904万円分の売却でやっと手取り1億円です。約19%多く失います。
相続税率が低いほど今回の増税で失う土地が増える計算です。
相続税計算の仕組みでは兄弟が多いと相続税率は下がります。
大地主さんの相続で、兄弟が多く、長男がほとんどの土地を相続し、土地売却で相続税を払うなら、今回の増税のダメージは大きく、失う土地が増えます。

(理解のため上記では、相続税評価と売却額が同じとし、取得費等ゼロとしています。取得費をゼロでなく概算取得費の5%とすると、上記の1億1538万円は1億1406万円になります。)
「相続税取得費加算」は土地以外の株式等にも使えますが、土地だけが「…全てに対する相続税」と優遇されています。今回の増税で、土地優遇が消え株式等と同様の扱いになります。
昭和バブル崩壊後の土地価格急落での相続税破産救済と土地物納抑制のために、1993年に始まった土地だけ優遇税制でした。
なお優遇ま趣旨は相続税納税のためですが、法的縛りはなく、自宅新築資金や教育資金、同族会社への不動産売却による不動産経営法人化、その他財産組み換えに極めて有効な特例でした。


相続税対策ビジネスの視点…相続での土地売却支援2009年10月12日 第756号



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