GK−TK不動産投資スキーム




不動産特定共同事業法でのGK−TK不動産投資スキーム



2014年4月21日 第973号

国土交通省 vs 金融庁



不動産は国土交通省ナワバリ。

(現)国土交通省は1995年に不動産共同投資のために不動産特定共同事業法を用意しますがガチガチの使いにくい制度でした。


それで、不良債権処理目的での1998年(現)金融庁の (現)資産流動化法が、不動産投資で使われるようになりました。使い勝手がよく、米国流スキームに似ていて外資も馴染みやすかったのでしょう。不良債権処理のための法律だったのに同法の第1号は賃貸マンション現物不動産の共同投資事案でした。

そうして不動産証券化市場は徐々に金融庁ナワバリ化し、今の証券化市場では共同事業法だけが国交省の砦となりました。

共同事業法スキームは「倒産隔離」ができません。つまり胴元が倒産すれば、投資家が投資資産を失いかねない仕組みです。

共同事業法では、胴元の不動産会社自ら金を集め自ら投資し(つまりオンバランス)自らが投資家に分配します。つまり「胴元が倒産するとヤバい仕組み」で、プロ投資家は躊躇します。

また現在主流の金融庁配下のGK−TKスキーム(合同会社−匿名組合の組合わせ)は、まずお金を集め、あとで物件を買えますが、共同事業法はまず物件ありきの硬直した仕組みです。

融通が利いて倒産隔離もできる金融庁スキームに証券化事案は流れ、不良債権処理はもちろん不動産共同投資も、信託との合わせ技の金融庁ナワバリに落ち、金融庁の戦略的大勝利です。

さて金融庁の資産流動化法は当初の組入資産は現物不動産OKです。ただ資産追加が面倒なので金融庁は緩和します。しかし国交省のチャチャなのか、追加できるのは信託受益権に限られ現物不動産は不可。現物ならわざわざ受益権化し追加。不便。

特定共同事業法の欠点克服



国交省は共同事業法においても、世間で人気のGK−TKスキームを使いたいと思います。

胴元が合同会社(不動産の入れ物)を用意しそこが不動産投資します。これで倒産隔離です。

合同会社は業務を胴元に丸ナゲし、丸ナゲを条件に不動産特定共同事業と認め、プロ投資家資金の匿名組合出資としての呼び込みを認めます。

物件差し替えや複数物件運用、金を集めてのお任せ運用も可能。これで年金資金も取り込めます。


しかし金融庁から「匿名組合出資は有価証券扱いだから、金融庁の金融商品取引法の免許が必要だ。」と言われます。

国交省は「それじゃメンツが立たない。でも仕方がないか…」。

結局、当初改正予定から2年遅れの2013年に改正となります。

国交省スキームなのに、その出資を募るには金融商品取引法の免許が必要となり、金融庁の検査対象にもなります。

今度は金融庁の仕返しチャチャか、信託受益権への投資はダメです。物件が信託受益権ならば信託をはずして、現物不動産に戻して組み込みます。不便。

仲良くすればいいのに…。

新スキームはどう使われる



まず投資受入れ用のメイン合同会社を用意、投資家はここに金銭出資で投資します。メイン合同会社が別の複数の合同会社に投資(出資)すれば2段階・3段階ファンドになります。各合同会社ごと共同事業法対象です。

一合同会社を一不動産と考えれば、複数物件に投資する投資スキームが可能になります。REITのような姿です。

そして倒産隔離が可能となるので、一物件を一合同会社にすることで銀行のノンリコ−ス融資が容易になります。

信託銀行は問題物件の信託化を嫌がります。信託財産の事故等による所有者責任があるからです。この仕組みなら信託不要。

旧耐震、老朽化、再生、介護施設、インフラ、小口。金融庁スキームにのりにくい事案を狙い、プロ投資家の資金を取り込みます。国交省の意地ですね。


2013年12月施行です。今後10年間で5兆円の新規投資、44万人の雇用誘発見込みだとか…。



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