金融円滑化法が平時運用に戻ると




信用保証協会100%保証と金融円滑化法が平時運用に戻ると



2014年6月23日 第982号


保証協会100%保証の行方



「セーフティネット保証の平時の運用への移行を図る」と昨年末に閣議決定されました。

何が「平時」・「異常時」か。

銀行は中小企業への融資に信用保証協会の保証を求めます。

その保証が付けば、焦げ付いても銀行は保証協会から回収(代位弁済)できます。(代位弁済後は銀行に代わり保証協会が返済を求めます。保証料を払っていてもチャラになりません。)

保証協会の保証は融資額の80%が原則で、銀行は20%分の貸し倒れリスクを負うので慎重に審査します。これが「平時」。

しかしリーマンショック後の「異常時」に中小企業支援策として80%ではなく100%保証の「(現)セーフティネット保証」が始まります。100%保証なら銀行はノーリスクビジネス、どんどん積極融資。この制度は多くの中小企業を救いました。

「平時」への移行として100%を80%に戻します。100%保証対象は当初全1133業種でしたが、4月には206業種に減らしました。

銀行は慎重になります。例え20%分だけでも貸倒損失なら支店長は本部から叱責されます。


かつて2007年に原則100%保証が原則80%に変わりました。この時には銀行の融資謝絶等で中小企業は資金繰りに苦しみました。同じことが起こります。

「平時」は会社がつぶれない時でなく、そこそこは企業が退場し、社会がそれを吸収し乗り越える時です。社会のスクラップアンドビルドも必要です。

大企業の業績は好調です。人手不足で仕事はあります。不況下に手荒なことはできなくても、この好景気なら吸収できそう…。

参院選を勝ち、アベノミクス、そして消費税増税を乗り越えました。「平時に戻すのは今!」。


2013年3月に終了済の「異常時」運用の金融円滑化法は金融庁指導で実質継続しました。どんな会社でもリスケと返済猶予が認められ倒産せずに済みました。これも「平時」運用へ。

「平時」への移行とはスクラップアンドビルドへの、事業継続困難企業淘汰のはじまりです。

「平時の運用」を目指す



手荒な「平時」を目指し、政府は次々準備を進めています。

(1)地ならしとして、経産省は数百億円の予算で中小企業相談支援を制度化しています。

(2)金融庁は銀行への監督指針で「事業の持続可能性が見込まれない債務者(事業の存続がいたずらに長引くことで、却って経営者の生活再建や当該債務者の取引先の事業等に悪影響が見込まれる債務者など)」には転廃業の幕引き指導をしろ…。

(3)日本政策金融公庫は、「取引金融機関から借入残高の減少(等)の要請または扱いを受けている」会社向けに総予算6兆円の「金融環境変化対応資金」を用意。銀行の手荒な貸し渋りへの国費による受け皿準備。

(4)金融庁・中小企業庁は経営者保証ガイドライン運用を2月開始。保証人である経営者には身ぐるみ剥ぎません。現金数百万円や一定の自宅を残し、信用情報ブラック登録をせずに再チャレンジを容易にし、倒産決断へのハードルを下げました。

ゆでカエル化した経営者は



金融行政は、セーフティネット100%保証も金融円滑化法もない「平時」運用を目指します。

救われ続けてきた中小企業の一部経営者は、平時の厳しさを忘れ、平時には戻れず、ゆでガエル化する選択肢しかありませんでした。銀行側は平時に戻り、ぬるま湯を沸騰させ、ゆでガエルに身の振り方を問うはずです。


なけなしの最後の資金を乾坤一擲、事業にぶち込むのか…。

破産するにもお金が必要です。

無一文になるまで事業につぎ込めば、破産もできず野垂れ死にです。見切り千両。

先を見据え、配偶者親戚や知人を保証人から外す交渉。詐害行為に注意し贈与等で資産移転。また抜本的再生計画の検討。

任意売却や競売も増えます。

債権者も債務者も周辺専門家も臨戦態勢となる「平時」です。




地銀信金信組再編と金融円滑化法出口への経営者の覚悟2013年12月9日 第956号




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