タワーマンション相続税節税失敗事例




タワーマンションでの相続税節税…失敗事例の研究と教訓



2014年7月14日 第984号

最近流行のタワーマンション相続税節税。ただし失敗事例。

平成19年7月 親が入院
平成19年8月 親が物件購入
(購入価格)2億9300万円
平成19年9月 親の相続開始
平成19年11月 相続登記
平成20年2月 子が売却依頼
平成20年7月 子が物件売却
(売却価格)2億8500万円
平成20年7月 相続税申告  
平成21年(多分)秋 税務調査
(路線価評価) 5800万円
平成22年3月 課税処分
(課税額) 2億9300万円

相続1ケ月前に購入の2億9300万円タワーマンションの相続税評価は5800万円(土地は路線価で4100万円と建物は固定資産税評価で1700万円)。30階部分専有面積91.59u…専有坪単価1000万円の凄いマンションです。

「預金2億9300万円」が「マンション5800万円」に化けました。

差額は2億3500万円。凄い節税、税額1億円は減ったでしょう。


マンションは息子が時々窓を開け水を流しに行く程度です。 

税務調査で税務署は課税処分


税務署の調査官は病院まで出向きカルテ等を確認します。平成19年初めには意思能力はなく売買などできないと確信します。

平成19年7月に親と会った仲介業者証言は「親は「『あ〜』というような返事だった…あとは覚えていない」。

しかし息子は仲介業者が重説を行い、本人は「うん」とか「はい」とか言ったと申述します。

売買契約は、親から息子への委任状で。委任状には手書きで「司法書士○○立ち合いの元で、確認、署名す」とあります。

(税金問題は別にして、宅建主任者も司法書士も本人意思確認はどう考えたのでしょうか?)

親は意思無能力だから親が買ったのではない…息子が現金2億9300万円の贈与を受け息子が親名義を借用し買ったのだ、と税務署は主張。息子への直前贈与の現金2億9300万円は相続財産に加算されます。税務署は2億9300万円課税処分します。

国税不服審判所は税務署主張は理由ナシと退けます。息子の行為ではあるが、親がマンションを買ったのだと認定します。

(親は意思無能力。息子が無権代理で購入。ただ唯一相続人の息子は信義則上で無権代理行為の追認拒絶をできない。つまり意思無能力だが親が買った。)

その上でマンションの評価額を決めます。路線価評価5800万円は合理的でなく、買ったばかりだし1年後の売却価格も勘案し2億9300万円と評価しました。

「現金2億9300万円」が「マンション2億9300万円」に化けただけ。節税効果ゼロの失敗事例です。
(平成23年7月1日裁決)

 評価額は本来は時価です。ただ本当の時価が分からないので路線価を時価と扱うだけ。

購入額2億9300万円が合理的な方法による評価とされました。


路線価評価が著しく不適当なら国税が勝手に評価できるとの規定も通達にはあります。

この事案は「不適当」でした。

タワーに限らず不動産節税は


「相続の時だけ親の名義ならばそれでよく、相続後に息子がすぐ売却しても大丈夫」といった節税提案は、タワーマンションに限らず、クレージーです。

税務署の対応を知っていれば、そんな提案は怖くてできません。確かに買った後のその人の寿命は誰にも分かりませんが…。

親の意思能力がなければ、専門家は税務調査の場面を想像して「危険過ぎます。無理です。」と止めるはずです。

また意思能力があっても、「せめて相続税の税務調査完了までは売却しないで下さい。」

それでOKなのではありませんが、調査官だって調査に出向いて既に売却済みなら「舐めんなよ」と頑張りたくなります。

売らないままなら、単に高値買いかもしれず、購入額をそのまま時価と決めつけて課税処分するのには躊躇するはず(課税される時は課税されますが)。

税務調査官もプロ。是非はありますが、病院でのカルテ確認まで。やるなら慎重にどうぞ。


超高層マンションで相続税対策…相続税評価額の不合理2005年12月5日 第571号





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