民法債権法改正(2)




個人保証はどう変わるのか…民法改正(2)



2014年11月3日 第999号

民法改正案は早ければ来年の通常国会に提出。施行日は未定。

事業資金への個人保証人は


改正の審議過程で「個人保証は禁止」と新聞報道されました。

個人が保証人になることの全面禁止ではなく、事業のための借入金等への個人保証に限り制限を課します。なお制限の対象は個人による保証(個人保証人)だけで法人保証人は対象外です。

事業のための借入金等の貸金等債務(金銭貸付や手形割引)を主債務とする個人保証は原則禁止です。個人が保証人欄にハンコをついても効力が生じません。

ただし後述の「禁止の例外」手続きでの個人保証は可能です。

貸金等債務限定なので、不動産賃借の保証人(主債務に事業のための貸金等債務が含まれない限り)は禁止対象外です。つまり、子が借りるアパートは親が保証人になれます。なお保証上限額記載が必要になります。

住宅ローンは事業のための借入金ではないので禁止対象外。親が保証人になれます。サラ金のギャンブル資金も同様です。

子のアパートローンなら事業のための借入金、また子が設立した会社の会社借入金も事業のため。つまり個人である親が保証人になることは原則禁止です。

ただ個人保証を全面禁止にすれば銀行は貸し渋ります。そのため禁止の例外が設けられます。

個人が保証人になりたいなら、保証する前1ケ月内に公正証書でその旨の書面を作成すればいい…「禁止の例外」手続きです。


公証人役場に出向き「私はこんな条件での保証人になります」と申し述べ、公証人が文書にするという、単純ですが面倒で金のかかる手続きが必要なのです。

子のアパートローンで親が保証人になるには、公正証書を作成してからハンコをつきます。

面倒な手続きを必須にすることで「知らないうちに連帯保証人になってしまった」から始まる破産や自殺の悲劇を防ぎます。

そして「例外の例外」です。

会社の社長や代表取締役なら自社の保証人になるのが現在は当然です。経営者については公正証書など不要で、簡単にスムーズに自社の保証人になれます。


借金するのが法人なら、その取締役や支配株主。個人なら、共同事業者、事業従事する配偶者(単なる親や事業従事しない妻は非該当)。これら個人は公正証書不要で保証人になれます。

なお銀行は金融庁指導により第三者保証や経営者保証の抑制に向かっています。それもあり公正証書の手間が増えるだけで、銀行との取引実務はそれ程変わらないのではないでしょうか。

保証人への情報提供義務


「私は貸店舗(あるいは金銭)を借りたいので保証人になって下さい。私の財産収支はこうで、私にはこんな借金があります。」

事業のための債務(ここでは貸金等債務に限らない…つまり店舗等、事業のための不動産賃借への保証を含む)の個人保証をお願いするには債務者本人がこの説明することが義務です。


この説明ナシ又はウソであり、賃貸人や銀行がそのナシ又はウソに気付くはずの状況なら、個人保証人は保証を取り消せます。

保証を取り消されて困るのは賃貸人や銀行です。「本人から説明を受けました」との書面を個人保証人から取るのでしょう。

保証人への大家の回答義務


「あいつ(賃借人・債務者)は家賃(返済金)を毎月ちゃんと払っていますか、返済してますか。」と保証人(ここでは法人保証人を含む)は賃貸人(債権者)に質問できます。賃貸人(債権者)はこの質問に回答義務があります。

対象は貸金等債務に限らず事業のためにも限りません。つまりアパートの保証人も対象です。

期限の利益喪失時の通知義務


分割返済の銀行借入は一度の遅延でも全額直ちに返済と約定されています (期限の利益喪失条項)。返済遅延等で期限の利益喪失なら債権者は2ケ月以内に個人保証人に通知義務です。

通知ナシなら通知時までの遅延損害金について保証人は負担不要です。返済が滞ってもわざとそのままにし、高利遅延損害金を膨らませ、それを保証人から奪い取る悪徳金融を防ぎます。

不動産賃貸借はどう変わるのか…民法改正(1)2014年10月27日 第998号



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