相続財産の売却




税金ゼロで土地を売る---期限日までの相続財産の売却



バードレポート 1996年5月20日 第112号

 先祖伝来の土地を売ったときには税金問題は避けて通れません。土地の譲渡税の最高税率は依然として39%の高税率のままです。

譲渡税なしで土地を売れないものでしょうか。

忘れがちな非課税の特例として「相続税の取得費加算」というものがあります。

「相続税納税のために土地を売ったときは譲渡税を安くする」という主旨の特例です。相続税納税のための土地売却で、譲渡税も取られるのでは踏んだり蹴ったりだからです。

しかし特例の主旨は「相続税納税のため」でも、法律はそのようになっていません。すでに現金で相続税を納税した場合や、物納や延納で相続税を納税した場合でも適用できるのです。

法律の上では「相続税納税のため」である必要はなく、「相続税の申告期限から2年又は3年の期限日までに土地を売却する」ことだけで、この非課税特例が使えるのです。

土地に対する相続税を1億円納税していれば、期限日までに相続した土地を売却することで土地譲渡益1億円までは非課税になります。ところが期限日の翌日の売却となってしまうと通常の税金です。

右の表は、その期限日のリストです。例えば、平成5年11月20日相続開始(亡くなった)の場合には、平成8年6月20日が期限日になります。この期限日までの土地売却なら譲渡益のうち相続税分が非課税になるのです。

逆に言えば、平成5年11月に御当主が亡くなった家では、平成8年6月までが最大の売却のチャンスになります。

このチャンスを知らない地主さんも多く、期限日が過ぎると、せっかくの非課税枠がなくなってしまいます。

「お客様の場合には何年何月までならば、いくらの土地売却までなら譲渡税非課税ですよ。」とアドバイスするととても喜ばれます。

さて、非課税枠がいくらになるか。これには多少の計算が必要ですが、簡単に言えば「相続財産中の土地に対してかかった相続税額」が非課税枠になります。地主さんや農家の相続の場合には、財産のほとんどが土地のことが多いでしょうから、結果的に相続税額のほとんどすべてが譲渡税の非課税枠になるでしょう。

そして最近は「物納」が大はやりです。この特例は意外なことに物納で相続税を完納していても使えます。物納した場合については非課税枠計算方法が変わりますが、それでも、たとえ相続税全額を物納したとしても、かなりの非課税枠が残ります。

物納が有利なので、相続税全額を物納で納税してしまった場合でも、この非課税枠による土地売却で、不動産の無税現金化が可能になります。

なお、現実の相続財産は土地だけではないですし、個別事情もあるのでご注意下さい。

相続開始日売却期限日
平成平成
5年9月8年4月
10月5月
11月6月
12月7月
6年1月9年10月31日
2月10月31日
3月11月
4月12月
5月10年1月
6月2月
7月3月
8月4月
9月5月
10月6月
11月7月
12月8月
7年1月10月31日
2月11月
3月12月
以上の売却期限日について、10月の場合は31日、10月以外は相続開始日の対応日(命日と同じ日)。


土地を売却した場合の、相続税の取得費加算の非課税枠は次のように計算します。

計算については相続税全体で計算するのではなく、各相続人毎に計算することになりますので、注意が必要です。

相続財産以外を売却した場合には特例の適用はありません。

非課税枠=
        (相続財産の内で土地の評価額
        合計−物納した土地と物納申請中の土地)
相続税額×−−−−−−−−−−−−−−−−−−−−
        (相続税の課税対象の課税価格
        (債務と葬式費用の控除前での評価額の合計)

具体的な計算例

相続税の課税価格が4億円(内3億円が土地)で、相続税が1億円とします。

物納しない場合

        3億円−0 
1億円×−−−−−−−−− = 7500万円・・・非課税枠
         4億円

相続税1億円全額を物納する場合

        3億円−1億円 
1億円×−−−−−−−−− = 5000万円・・・非課税枠
         4億円

cats_back.gif





バードレポートとは


 
clip_blue_1.gif




前号

次号


関連する項目
債務処理の税務
税制改正
住宅税制住宅減税
譲渡税買換特例

このレポートと同じ年分リスト
1996年リスト




あんしん生命資料請求
  • 使わなかったら払った保険料が全額戻ってくる医療保険

保険ショップインフォ
  • 地域から探す
  • 保険ショップの使い倒し方

保険ショップ


バードレポート

Google
Web検索
当サイト検索

バードレポート項目別
不動産ビジネス手法
不動産賃貸経営
不動産と金融会計
定期借地権定期借家
不動産証券化
債務整理と企業再生
不良債権処理
債務処理の税務
相続税対策申告
路線価評価相続評価
物納と相続税調査
譲渡税買換特例
住宅税制住宅減税
固定資産税
税制改正
その他不動産税制
その他税制
相続対策と遺産分割
生命保険
その他不動産関連
その他
トピックス版・年別リスト
カネボウ劇場
発行元情報

バードレポート発行順
発行年順リスト
clip_blue_1.gif
clip_blue_3.gif