定期借地権で利用権確保




定期借地権をつかって、親の財産の利用権を確保する法



バードレポート 1996年6月17日 第116号

  土地の価値とは何でしょうか。財産価値でしょうか、利用価値でしょうか。

財産価値でなく利用価値だけがほしいのなら定期借地権でしょう。土地を一定期間借りて活用し、期限が来たら返せばいいのです。お金を出して土地の財産価値まで買う必要はありません。

この定期借地権は親族間の財産問題解決のための武器にもなります。

どの財産をだれに相続させるかを生前に決定するには遺言があります。

「あの土地は長女に相続させる。」という遺言を父が残せば、「あの土地」は遺産分割協議や他の兄弟の印鑑なしで長女が相続できるはずです。

しかし、問題はこの「できるはず」です。「できる」のではなく「できるはず」なのです。

理由はふたつです。第一に遺言はいつでも取り消し、書き換えができること。第二には、遺言があったとしても法律の上では他の相続人が遺留分減殺請求を起こして財産の請求が認められてしまうこともあるからです。遺言では確実とまでは言えないのです。

長女が「あの土地」をすでに使っているのなら、土地を守るために定期借地権の契約をしましょう。

親の土地を長女が一般定期借地契約として賃貸しましょう。建物が親名義なら建物を長女に売買や贈与で移せばよいでしょう。

期間は50年でも、100年でも、1000年でもどうぞ。地代はそこそこの額を親に払いましょう。地代相当分を親から年1回贈与してもらってもいいでしょう。

こうすれば、その土地についての「利用価値」は確実に確保されます。定期借地契約は親との契約行為であり、遺言ではありませんから、取り消せません。

土地の財産価値は遺産分割の対象になるでしょうが、利用価値は確実に確保できます。仮にその土地を長女以外が相続したとしても、その後第三者に売却されたとしても、長女がその土地を借り続け、利用する権利はなくなることはありません。

これまでは、税務上の制約もあり親の土地を使う権利形態は民法上の「使用貸借」でした。これは「無償の貸し借り」であり権利としては極めて弱いものでした。ところが現在は定期借地権という民法上の「賃貸借」というしっかりした権利を確保することができます。

定期借地権を使えば、財産価値と利用価値を分離できるのです。

ビルマンション等ならば、この「利用価値」は「収益力」とも言い直せます。子供あるいは会社をつくって、その土地を安い地代で借りて、収益力のあるビルを建築できるのです。家賃は子供あるいは会社のものになります。

ただし、「税」にはご注意下さい。定期借地権の設定された土地の物納も始まってはいますが、落ち着いてはいません。物納を前提にすることには怖さを感じます。定期借地権設定時に贈与課税はないと言われてはいますが、事例がないだけです。大規模なケースはくれぐれも慎重に。

cats_back.gif





バードレポートとは


 
clip_blue_1.gif




前号

次号


関連する項目
不動産ビジネス手法
不動産賃貸経営
相続税対策申告
定期借地権定期借家

このレポートと同じ年分リスト
1996年リスト




あんしん生命資料請求
  • 使わなかったら払った保険料が全額戻ってくる医療保険

保険ショップインフォ
  • 地域から探す
  • 保険ショップの使い倒し方

保険ショップ


バードレポート

Google
Web検索
当サイト検索

バードレポート項目別
不動産ビジネス手法
不動産賃貸経営
不動産と金融会計
定期借地権定期借家
不動産証券化
債務整理と企業再生
不良債権処理
債務処理の税務
相続税対策申告
路線価評価相続評価
物納と相続税調査
譲渡税買換特例
住宅税制住宅減税
固定資産税
税制改正
その他不動産税制
その他税制
相続対策と遺産分割
生命保険
その他不動産関連
その他
トピックス版・年別リスト
カネボウ劇場
発行元情報

バードレポート発行順
発行年順リスト
clip_blue_1.gif
clip_blue_3.gif