不動産賃貸業で株主代表訴訟




不動産賃貸業の法人化---株主代表訴訟の悲劇---



バードレポート 1996年7月1日 第118号

法人化は「魔法の杖」?


「不動産賃貸経営を法人化したいのだが・・・」というご要望をよくおききします。「法人化」は魔法の杖のように思えるようです。

法人化すれば相続税は激減するし、交際費はいくらでも使えるし、所得税の節税になるし、社長の名刺ももてるし・・といったところですか。

実際の最大のメリットは一番最後の「社長の名刺をもてること」でしょう。

相続税や交際費はそれほど甘くはありません。所得税の節税といっても余程規模が大きくなくては難しいでしょう。

法人化しての苦労も多いようです。帳簿は面倒だし、法人税の申告は大変だし、法人維持の経費はかかるし・・・。

それでも超長期的に不動産経営をお考えになるのならば法人化も良いのではないでしょうか。まずは賃貸用の建物だけを法人に移して、将来的には土地も移していくことになるでしょう。

株式分散の恐ろしさ


法人化の一番恐ろしい問題は、株主間の争いです。会社の株式の贈与は簡単です。一人60万円まで贈与税はかからないからと、60万円分の株式を兄弟全員孫全員に毎年贈与もできます。株式がどんどん分散していきます。

確かに相続税は減りますが、もっと大きな問題が待ち受けます。相続後の争族です。

「土地を兄弟で共有にすると将来もめる」というのは事実です。だから土地については兄弟間の共有にならないように努力をするはずです。

会社も同じなのです。株式が分散してしまうということは会社が共有になることです。

土地はたとえ共有になったとしても「共有物の分割」として土地を分割することができます。ところが現商法では「会社の分割」はできません。

仲の悪くなった兄弟間、あるいは次の世代の従兄弟間で一つの会社を共有のままで持ち続けなくてはいけません。

代表訴訟による兄弟ゲンカ


兄弟ゲンカのひとつが株主代表訴訟です。

大企業の株主代表訴訟の記事です。取締役が株主から訴えられて12億円を会社に対し損害賠償することになりました。(大企業の取締役とはとてもリスキーな仕事なのです。)

株主代表訴訟の大半は大企業ではなく中堅中小企業です。 株主代表訴訟は株主(たとえば次男)が取締役(たとえば長男)を訴える権利です。訴えるために裁判所に払う手数料はわずか8200円です。

高額なゴルフ会員権を社長が勝手に購入し、それがバブル崩壊で半値になったのは社長の責任であり、社長は会社に値下り分を損害賠償すべきであり、同時に個人的な飲食を交際費として会社に払わせた分も損害賠償せよという判決まででています。

その気にさえなればどんな訴えでも起こせます。

兄弟間の争族争いを合法的な嫌がらせとして裁判にする方法が株主代表訴訟なのです。 そんなことにならないように、法人化と株式の分散にはくれぐれもご用心。

日本経済新聞 96年6月21日省略

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