貸家建付地か自用地か




アパート空室は相続税の敵---控訴審も納税者敗訴



バードレポート 1996年8月26日 第125号

このレポート発行後の通達により、通常の場合には貸家建付地が適用できると確認がなされました。

「アパートが空家だと相続税が増えるというのはおかしい」と訴えた裁判は、横浜地裁に続けて、東京高裁でも納税者の敗訴となりました。

貸家建付地の評価減


賃貸マンションやアパートを建築すると土地の相続税評価額は評価減になります。

賃貸用建物が建築されていればその土地は「貸家建付地」として評価減がされます。評価減の割合は地域により差がありますが、自用評価から約2割引きになります。土地は1億円が8000万円になります。

建物についても、賃貸用ならば「貸家」として自用評価から3割引きになります。建物は1億円が7000万円になります。

空家で相続税が増える


昨年7月、横浜地裁で賃貸マンションの評価に対する判決がありました。

それは、賃貸マンションであっても、相続の時点で空室であり、賃貸されてない部屋に対応する部分については、自用扱いで評価するというものでした。

昭和61年に亡くなった方が21室の賃貸マンションを所有していたが、亡くなった日には21室中4室しかうまっていなかった。そのために、土地建物のうち21分の4については賃貸扱いを認めるが、残りの21分の17については自用扱いとする・・・という極めて厳しい判決でした。

ちなみにこの建物については、「建築費用を借り受けた住宅金融公庫によりすべて管理され、賃貸目的以外の用に供し得ないばかりか、被相続人は、不動産業者との間で賃借人募集の委託契約を締結し、右募集は既に開始されているところ、原告においてこれを一方的に解約することはできず、また本件建物は、昭和63年3月(相続から1年半後)には、1室を残してすべて賃借されており、かつ、本件建物全体を売買目的のものに変更するには、多額の費用と労力を要し、容易になし得ない」(判決文のまま)にもかかわらずです。

東京高等裁判所でも


そして、今年4月18日に東京高裁での控訴審の判決が言い渡されました。判決は横浜地裁と全く同様で、納税者敗訴、税務署勝訴です。

勝負は最高裁に持ち込まれました。

現実的対応


アパート・ビルの空室は重大な問題です。もちろん、相続税うんぬん以前の問題ですが、相続税も考えないといけなくなっています。

相続が予想される場合で、ビル・アパートが空室ばかりなら要注意です。なんとか空室を埋めなくてはいけません。

オーナーさんの選択肢は次の3つです。

(1)家賃を下げてでもなんとか空室をうめる。

(2)賃貸管理会社に一括貸(サブリース)をする。

(3)自分で不動産管理会社をつくってそこで一括貸(サブリース)をする。

(2)や(3)のように一括貸をすれば、たとえ現況が空室であったとしても、法律の上では賃貸中となります。

相続税を考慮してのサブリースが必要なときもあるのです。

一棟ものの賃貸は要注意


大変なのは「貸倉庫」「ロードサイド貸店舗」等の一棟ものの賃貸物件の場合です。相続の日にテナントがいなければ土地建物全体が自用評価になってしまいます。

相続が起こるまでになんとか手を打たないといけません。いざ相続が起こってしまうと、手の打ちようがありませんから。

なお実務的には一時的な空家は貸家建付評価が認められているようです。


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