地面師に土地が盗まれる




土地が盗まれる---「地面師」に気を付けろ!



バードレポート 1996年12月16日 第140号

 「地面師(ぢめんし)」たちが動き始めているようです。

「地面師」は、土地(すなわち「地面」)の泥棒です。泥棒といっても、土地を風呂敷きに包んでかついで持ち去っていくのではありません。

土地そのものを盗むのではなく、登記簿の上で、真実の所有者から土地を盗んでしまうのです。

地面師たちは、登記簿上のの所有者の名義を真実の所有者から別の名義に移します。そしてその土地を何食わぬ顔で第三者に売却し現金を得るか、土地を担保に借金してその借金を踏み倒すかをします。ある日、真実の所有者が気がつくと、自分名義のはずの土地が全く知らない第三者の名義に変わっており、更に転売されていたり、抵当権が設定されていたりする・・・ということになってしまいます。

狙われるのは、不在地主の売却容易な土地です。具体的には、遠方のお年寄りが所有している土地で、そのお年寄りが何十年か前に相続したもので、抵当権設定のない更地、といったところでしょうか。

手口は・・・


地面師は、まずは登記簿の名義を、移します。

一番荒っぽい方法は、登記簿原本の改ざんです。登記所で、登記簿原本を抜き取って持ち帰り、偽造登記の内容をタイプで書き込み、偽造登記印を押してから、登記所で元に戻します。電算化されていない旧来の登記所で、「登記簿の閲覧」を申し出ると、バインダー綴じの登記簿原本が一冊渡されます。人目を盗んでそこから1枚を抜き取ることは容易なのでしょう。

司法書士をだます方法もあります。所有権移転登記は権利証がなくとも可能です。司法書士が(法律上は誰でも可能ですが)、「保証書」という書類を用意すれば、権利証なしで第三者への移転登記ができます。そこへ目をつければ、他人の土地の名義を移せます。印鑑証明や固定資産税評価証明等が必要ですが。

本格的な地面師は裁判所をもだまします。裁判所をだます前に弁護士をだますこともあります。真実の所有者を相手に裁判や調停を起こします。その際に真実の所有者の替え玉を用意して自分に都合のいい判決や調書を裁判長からもらいます。その判決等があれば移転登記ができます。

このようにして、真実の所有者の知らぬ間に、登記簿原本は他人名義になります。

被害者は・・・


地面師の罪は「公正証書原本不実記載・同行使」。登記簿という公正証書に不実を記載した、ということです。

地面師の最終的な被害者は誰になるでしょうか。地面師は、だまし取った土地を現金化します。最終的な被害者は地面師からだまされて土地を買った人、土地を担保に金を貸した人です。

日本の登記簿には「公信力」がありません。これは、登記簿は真実とは限らない、すなわち「登記簿を信じちゃいけないよ」ということです。事件が発覚し、真実の所有者が裁判を起こせば、登記簿は元に復元されます。最後には救われるのです。

逆に、何も知らずに地面師にだまされ、地面師に金を払った第三者の買主らの登記は抹消されてしまいます。土地を買う時に登記簿だけを信じた買主らのミスということです。そんな登記簿謄本や判決を出した法務局や裁判所のミスだとして、国家賠償を求めてもダメのようです。

せちがらい世の中・・・


自分の土地の登記簿も時々は確認しないといけません。土地、特に格安な土地を買うときは注意しましょう。

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