バブル清算は譲渡所得内通算




地主さんのバブル清算は赤字黒字の合わせ売り



バードレポート1997年6月2日 第162号

 「相続税対策」として「物件購入」を行った地主さんの中には、銀行返済がままならず土地売却が必要な方も多いようです。地主さんのバブル清算には損益通算を使います。

購入不動産は当然値下がりしていますから譲渡損がでます。購入不動産の売却だけでは返済に足りませんから、長期所有の不動産を売却することになります。こちらは当然譲渡益が生じます。

 譲渡益のでる土地の売却と譲渡損のでる土地の売却は同年中に行いましょう。1億円の譲渡益と1億円の譲渡損が同年中に生じれば、その年の譲渡所得はゼロになります。

相続対策としてバブル時に10億円の一棟売り賃貸マンションを全額借入金で購入したある地主さん。その物件は時価3億円に下落し、家賃も下落で返済不能となり借入金全額10億円につき不動産売却で清算することにしました。

この場合に、先祖代々の長期所有土地を10億円で売却しても駄目です。最高39%の譲渡税が課されますから、払う税額を考えると15億円超の売却が必要となります。購入物件を時価の3億円で売却しましょう。原価が10億円だから7億円の赤字。そして先祖代々の土地7億円を同年中に売却。原価はゼロなので、すべて利益で黒字7億円。赤字と黒字の通算で所得はゼロとなりました。

地主さんが不動産投資に失敗した場合の清算は、この「合わせ売り」です。バブル不動産の赤字と長期所有不動産の黒字を組み合わせて、税負担をなくすことになります。

どちらを先に売るか


さて「合わせ売り」の具体的な売却順序には苦労します。赤字7億円と黒字7億円とが、同年内ならば問題なくOKです。譲渡税ゼロです。しかし、そう都合よく売却できるとは限りません。

赤字7億円が先になり、黒字7億円が翌年以降になるとどうなるか・・・・・。その地主さんが白色申告なら、翌年の黒字7億円への税金を単に払うだけです。前年の赤字は考慮されません。

すでに青色申告だったなら売却後3年間は大丈夫です。青色申告であり、かつ毎年確定申告を続けていれば、赤字7億円は3年間繰越せます。翌年以降3年間に黒字7億円がでても、過去の赤字7億円と通算ができるので譲渡税は生じません。

次に、黒字7億円が先で、赤字7億円が翌年以降になった場合。まず黒字7億円に対する譲渡税の支払義務は生じるのは当然です。白色申告ならば翌年はそのままです。翌年に赤字7億円が生じても前年に払った税金は戻りません。ところが青色申告ならば払った税金が戻ります。

黒字7億円の年に譲渡税2億円を払ったとしましょう。翌年に赤字7億円が生じたならば、前年の黒字7億円と翌年の赤字7億円とが同年中だったとみなしての計算ができます。その結果として譲渡税はゼロになり<前年に払った譲渡税は還付されます。(これを「繰戻し還付」といいます)これが可能なのは翌年1年限りであり、また還付は所得税だけであり住民税は戻りません。

結局どちらを先に売るのか


青色申告なら、赤字が先でも黒字が先でも1年差なら大丈夫ということになります。しかし、繰戻し還付となれば、一度納税が必要だし、税務調査は確実だしと、面倒です。まずは青色申告にした上で、赤字物件の売却を先行させることをお勧めします。赤字が先なら、黒字物件の売却が翌年以降に遅れても安心です。

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