共用の廊下内階段と容積率




これからは、共用の内廊下内階段は容積率の対象外。



バードレポート1997年6月16日 第164号

ほとんどのマンションの共用廊下は外廊下です。風が強い雨の日にはずぶぬれになります。廊下に水溜まりもできます。なんで外廊下なのでしょうか。その理由は、外廊下ならば容積率の対象外になるから、です。

共用廊下を内廊下にすれば雨風から守ることができますが、廊下部分が容積率の対象となってしまい、住居部分の面積を減らさざるをえなくなります。その結果、分譲面積・賃貸面積が減少してしまいます。そうすれば当然に採算は悪くなります。建築主の希望は居住性のいい「内廊下」であっても、採算性を考えると「外廊下」にせざるをえなかったのです。

それが変わりました。建築基準法・都市計画法の改正案が国会を通過して、6月13日に一部施行となりました。この法改正によって、6月13日からは、共同住宅の共用の廊下・階段は容積率に算入されないことになりました。「この改正により、これまでの1.2倍程度の共同住宅の建設が可能」と報じられていました。しかし、そんなにはうまくいきません。

中層低層のマンションでは容積率を最大限に活用するために、外廊下外階段になっているものがほとんどです。外廊下外階段はこれまでも容積率の対象外です。そのためにこれらを内階段にしても利用可能面積は変わらず、増えることはありません。

それでも、内廊下内階段が容積率の対象外となることにより、「雨風をしのげる廊下」のマンションの供給が増えることだけは間違いなさそうです。内廊下内階段をうたいものにする新築分譲のマンションはすぐ登場します。

高層マンションでは、これまでも内廊下内階段でした。これが容積率対象外になります。この高層マンションについてはこの改正の効果は大きくなりそうです。計画中のマンションがあればプランの練り直しも必要ではないでしょうか。

今回の法改正のもう一つの大きな柱は「高層住居誘導地区」の創設です。

本来は容積率400%であっても、住宅部分の床面積が全体の3分の2以上の建物については最大容積率を600%とします。その上で斜線制限や日影規制の緩和撤廃をする地区です。この「高層住居誘導地区」については、今年の9月までに施行です。施行後に各自治体が具体的に都市計画決定をしていきます。そしてその時期は一体いつになることやら、まだわかりません。

第一種住居・第二種住居・準住居・近隣商業・準工業地域で容積率400%地区が、指定可能な地区となり、その面積は全国で4950ヘクタール。うち東京3180ヘクタール、神奈川240ヘクタール、愛知230ヘクタール、大阪180ヘクタール、兵庫390ヘクタールと、三大都市圏がほとんどです。川崎市は「指定しない」方針、横浜市は「今の条件では難しい」といい、23区各区も積極的ではないようです。(週刊住宅平成9年6月5日号より)

この「高層住居誘導地区」のスタートはどうもゆっくりとしたものになりそうです。さて、容積率600%の住宅が連なる風景とはどのような風景になるのでしょうか。映画で見るニューヨークの街並みなのでしょうか。新宿副都心の高層ビル街のような住宅街なのでしょうか。東京駅前の丸の内のビル街のような住宅街なのでしょうか。

いずれにしても、これまで日本が経験したことのない住宅地が、いずれは、出現することになりそうです。

cats_back.gif





バードレポートとは


 
clip_blue_1.gif




前号

次号


関連する項目
不動産賃貸経営
定期借地権定期借家
不動産証券化
不動産ビジネス手法

このレポートと同じ年分リスト
1997年リスト




あんしん生命資料請求
  • 使わなかったら払った保険料が全額戻ってくる医療保険

保険ショップインフォ
  • 地域から探す
  • 保険ショップの使い倒し方

保険ショップ


バードレポート

Google
Web検索
当サイト検索

バードレポート項目別
不動産ビジネス手法
不動産賃貸経営
不動産と金融会計
定期借地権定期借家
不動産証券化
債務整理と企業再生
不良債権処理
債務処理の税務
相続税対策申告
路線価評価相続評価
物納と相続税調査
譲渡税買換特例
住宅税制住宅減税
固定資産税
税制改正
その他不動産税制
その他税制
相続対策と遺産分割
生命保険
その他不動産関連
その他
トピックス版・年別リスト
カネボウ劇場
発行元情報

バードレポート発行順
発行年順リスト
clip_blue_1.gif
clip_blue_3.gif