密集法認定で貸家立退正当事由




「密集法」認定なら、古アパートの立退でも正当事由は不要



バードレポート1997年7月14日 第167号

法務省は借家制度改革の検討に入っています。最大のポイントは正当事由です。いったん家屋を貸すと、貸主がそのに住む必要あり等の理由がない限り、家屋や土地の返還を借家人に求めることとはできないとするのが正当事由制度です。この制度が過度の借家人保護となっていないかが大きな論点です。

それに先立ち、借地借家法の借家の正当事由の適用除外を定める法律が今年5月9日に公布されており、11月までには施行されます。「密集市街地における防災街区の整備の促進に関する法律」(密集法)です。

この法律は、阪神大震災時を反省し、大規模地震時に大火を引き起こしそうな防災上危険な地域を整備しようという法律です。

まずは危険な地区(「防災再開発促進地区」)を定めます。この地区内で延焼防止の邪魔になる木造建物を一定の耐火建築物の建替えるに際し、権利者(借家人を含む)全員の同意が取り付ければ、申請により建替え費用につき補助金が出るようになります。

更に、この危険な地区の中で、特に危険な地域(「特定防火地域等」)を定めます。この地域内なら、地震発生時に延焼防止上で危険な老朽木造建物について、それを取壊すようにと、自治体が所有者に勧告することができます。

勧告された建物がアパート(「延焼等危険賃貸住宅」と呼ばれます)であれば、当然に借家人の立退とその転居が必要になりますので、市町村はその転居先斡旋の努力することになります。結果として公営住宅等が準備されるでしょう。

また、勧告された木造老朽アパートの所有者が、借家人立退き転居計画とアパートの建替え計画とを作成すると、市町村が借家人の意見を聴いたうえで、その計画を認定します。すると、借地借家法が一部適用除外になります。

この結果、アパートオーナーが賃借人と立退交渉(更新拒絶通知・解約申入れ)をする場合に借地借家法の正当事由等に関する規定は適用されないことになり、立退きがスムーズに完了します。更には借家人に支払う移転料の全部又は一部を市町村が補助までもしてくれます。

阪神大震災では木造老朽住宅の被害が甚大でした。特に2階建て木造老朽アパートは壊滅的でした。倒壊してその後に大火につつまれました。危険な地域での木造老朽アパートの建替え促進を促すことが政策なのです。そのためにまずは建替えへの補助金が用意されました。借家人に対しては公営住宅等が用意されることになります。

しかし建替えに際しての一番のネックは借地借家法の正当事由規定です。所有者が建替えようと思っても、この正当事由がある限りは、スムーズな建替えはできません。そこで、借地借家法の正当事由規定の適用除外を定めたのです。老朽化した古アパートの所有者としては、うまく勧告・認定してもらえばアパート建替えを進めやすくなります。借家人の転居先探しも楽になり、補助金までついてきます。

さてどの地域が選定されるか。これはまだ決まっていませんが、各自治体では当然に検討に入るのでしょう。

東京都は東京都全体を縦・横500mの網目(メッシュ)に区切り、この1つ1つの網目につき5段階の危険度を示した地図を市販しています。(「あなたのまちの地域危険度」500円東京都情報連絡室発行)そんな資料を見ていると、どの辺りが指定されるかが見えるような気もしてきます。

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