建物減価償却は定率法から定額法




建物の減価償却は、定率法を禁止し、定額法に限る??



バードレポート1997年8月25日 第173号

 法人税減税が現実味を帯びてきました。法人対する法人税・住民税・事業税の合計税率は約50%です。一気に下げられないまでも、数%は引き下げようという方向です。税率引下げだけなら反対者はいません。しかし見返り条件は「課税ベースの拡大」です。

課税ベースの拡大とは特例措置を廃止しする等です。特例措置は一般に重厚長大産業に有利です。この優遇格差をなくし、どんな会社でも利益が出れば平等に課税する、というのが「課税ベースの拡大」です。当然に「総論賛成・各論反対」の声が渦を巻きます。

諸外国の税率は日本より10%から20%も低いところが多く、このままでは優良企業から日本脱出を始めます。日本が国として国際競争力を保つために税率引下げは避られません。

建物の減価償却


「課税ベースの拡大」のひとつとして報道されているものに、「建物の減価償却を定額法に一本化」があります。これは昨年秋の税制調査会法人課税小委員会報告で既に方向づけられている内容です。

建物の減価償却方法には「定額法」と「定率法」とがあり選択できます。「定率法」だと当初の経費が多いので税金を払いたくない向きには愛用されています。

耐用年数20年の1億円の木造アパートの初年度の減価償却費は、定額法なら450万円、定率法なら1090万円です。倍以上違ってきます。

定率法償却によるアパート等の収支計画も多いようです。改正となる可能性が大きいので注意が必要です。改正されれば、既存の建物についても適用される可能性もあります。

法人税課税小委員会報告は次のように言っています。「建物については、一般的に長期安定的に使用される資産であること、その使用形態は生産性や収益性に大きく左右されないこと、主要諸外国においても定額法により償却するものとされていることを考慮すれば、その償却方法を、時の経過に応じて均等に償却する定額法に限ることが適当である。」

福利厚生費にまで課税を


驚くのは、従業員のための福利厚生費であってもそれが過度に多額ならば全額を経費として認めない、と検討されていることです。通常家賃10万円の社宅で社員負担の社宅賃料が5万円なら、差額5万円が福利厚生費です。この5万円は「給料のようなもの」として社員の給料として所得税を課税したいようですが、なかなか課税しづらいようです。保養施設や食事支給、生命保険も同じです。

そこで会社の社員一人当りの福利厚生費が多額な会社からは、その分を法人税で余分に取ろうということになり、この差額5万円の一部は経費として認めないということです。

その他検討課題


建設業では長期請負工事について、工事完成時に一括売上計上をする会社も多いようです。たとえ工事が未完成でも工事が進んだ分についてはその年の売上に計上しろ、という方向で検討されています。また、地価税がどうなるかも大きなポイントでしょう。

税制改正論議


様々な税制改正ニュースが流れる季節です。誰が言っているかにご注意下さい。「各業界団体の要望」は話一割未満。「各省庁の要求」は話三割。ただし各業界団体の代弁者たる通産省や建設省は「業界団体の要望」と大差なく話一割。「政府・与党・自民党」や「大蔵省」が言うことは実現の可能性が高いでしよう。

なお、建物の償却方法も、福利厚生費も、まだ決まっていません。最終結論は12月中旬の「与党税制改正大綱」です。

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