定期借地権と物納




定期借地権は新しいステップに! だけど物納には困った!!



バードレポート1997年10月13日 第179号

 売れ残り定期借地権付住宅(以下「定借住宅」)が目立っています。

供給数も伸びていません。財団法人都市農地活用支援センターの調査によれば、平成8年の首都圏での定借住宅供給数は前年比マイナス。定借なら売れるという時代は既に過去のものです。

しかし変化のきざしが見えてきています。まずは開発案件が目立つことです。当初は造成済の土地での住宅メーカー等による定借住宅分譲がほとんどでした。しかし、開発造成をともなう大規模案件が続いています。首都圏では、千葉県での三菱・住友・東急と大手デベロッパーさんの開発型定借住宅分譲が続出し、売れ行きも順調のようです。

住宅メーカーばかりが儲かった定借創世期から次のステップへ進んでいるようです。そして定借マンションも目立っています。平成8年の首都圏の定借住宅は前年比マイナスでしたが、定借マンションは急増中です。

定借マンションも当初はデベさんが自己所有地に定借設定するケースが数多くありました。値下がりで売却すると損がでるから・・・・・・という不純な動機の案件もありましたが、「まずは定借マンションをやってみる」為には、採算度外視で自己所有地でやるのが近道です。これが首都圏の定借マンションの創生期です。こうして「まずはやってみた」デベさんは自信をもって地主さんを口説き落とすステップにはいっています。

次に公団公社の定借案件が目立ってきています。公団公社が相手なら地主さんも安心なのか、これも新しいステップ。


事業者側での、地主さんを定借で口説く最大の苦労は相続税。定借には相続税節税効果はほとんどありません。説得話法は「相続税は減りませんが、物納ができます」です。

「間違いなく物納できますよ。心配ないです。」との気楽な営業をするノー天気な住宅営業マンもいますが、定借が設定された土地の物納は楽ではありません。

現行の物納の取り扱いでは、これまでの各住宅メーカーが分譲した保証金方式定期借地権の設定された土地の物納は、借地契約内容の改訂ができない限りは、ほぼ全滅でしょう。

定借が設定された土地の物納事例はまだわずかです。そして、物納に際して税務署と財務局から求められるのは、次のようなことです。

(1)保証金を清算しろ。保証金は国が引き継ぐことはできない。借地人に返還して清算しろ。

(2)地代の値上げをしろ。保証金は無利息だったから、運用利息が地代の一部だったはずだ。その保証金が無くなったのだから地代は高くなって当然だ。値上げしろ。

(3)契約書を書き直せ。国には国の契約書式がある。それにしろ。それができないのならば、契約内容を国の契約書式に合わせろ。(国の書式はバードレポート第130号を参照下さい)

・・・といった具合。これができなければ物納不可です。

(1)については借地人さんも喜ぶからいいのですが、(2)と(3)については借地人さんが了承しなければダメです。(3)については契約書の内容改訂は借地人さんにとって厳しいことばかり。借地人さんの同意が無条件に得られたとしたら運がいいだけです。

「物納ができるというから、定借で先祖代々の土地を貸したんだ・・・・。責任を取れ!!」といった問題がそろそろ出るのではないでしょうか。地主さんの定借土地活用では、物納について契約内容まで含めての検討が必要です。


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