法人税改革で借上社宅需要は




法人税改革で、借上社宅の需要が激減する。



バードレポート1997年11月10日 第183号

その後の税制改正では、福利厚生についての改正は見送られることになりました。 11月5日に法人税見直しの大蔵省案が提示されました。法人税率引下げの見返りの課税対象拡大の素案といえます。

課税対象拡大には「建物の減価償却は、定率法を禁止し、定額法に限る。」いう内容が含まれています。既存の建物には適用がなく、新規取得建物に限られるようですが、賃貸用不動産の収支計画には影響がでることは間違いありません。(減価償却費の影響はバードレポート173号参照)

また建物の耐用年数の短縮を行い、耐用年数は最長でも50年とするようです。

福利厚生費に法人税課税


大蔵省案には「従業員一人当たり50万円超の福利厚生費は損金(経費)に認めない。」という項目があります。

法律が改正されれば「社宅市場・法人向け賃貸市場」に対する影響は必至です。企業が従業員のために支出する福利厚生費には、社宅・独身寮・保養所・人間ドック・食事負担・住宅ローン低利貸付制度等があります。現在はいずれも負担した会社の経費となっています。一方メリットを受ける従業員に対しては、そのメリットに対して所得税を課税する制度もありますが、ほとんどの場合で課税されていません。

A氏は年収1000万円のサラリーマンです。B氏は年収800万円ですが、社宅に住んでいます。会社が年間家賃400万円で借り上げた貸家を、半額の200万円で会社から社宅として借りています。B氏の実質年収は800万円(給与)と200万円(家賃が安いことのメリット・非課税)との合計1000万円です。

実質年収はA氏とB氏は同じでも、所得税は違います。A氏は1000万円に対しての所得税、B氏は800万円に対してだけの所得税負担となり、税引後ではB氏の方が豊かです。

会社への課税は同じです。A氏分は1000万円の給料が経費になり、B氏に対しては800万円の給料と200万円の家賃差額(福利厚生費)との合計1000万円が経費になります。いずれも1000万円が経費です。

今回の改正は、ここでのB氏に対する福利厚生費200万円について限度額オーバー分は経費にしない、ということです。

借上社宅制度はどうなるか


会社としては、社宅負担として支出しても経費にならないのならば、わざわざ借上社宅にしないでしょう。会社の社宅負担分を削減し、給料に回すことで経費にするでしょう。改正されれば法人向賃貸・社宅需要は明らかに減少です。従業員向けの住宅ローン低利貸付制度も福利厚生費です。これが削減されれば分譲住宅市場への影響がでるでしょう。

まだまだ不確定


福利厚生費の年間経費限度額は「従業員数×50万円」となりそうです。役員社宅やパートはどうなるか、借上社宅でなく会社所有社宅はどうなるのか、等まだまだ不明なことばかりです。

中小企業には増税?


不動産とは直接関連がないものの、中小企業に対する交際費課税を強化(これまでの3倍課税)や、赤字法人に対する課税案も含まれています。

法人税減税については「『基本税率』を引下げる」と伝えられています。

資本金1億円以下の中小企業での利益800万円までは『基本税率37.5%』ではなく『軽減税率28%』という税率が適用されます。大蔵省案での引下げは『標準税率』だけで、『軽減税率』引下げありません。(自民党緊急経済対策には「軽減税率への配慮」が含まれます。)

このままでは、中小企業にとっては増税だけということにもなりそうです。

最終結論は12月中旬です。


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