銀行員を信じるな




銀行員の「またお貸ししますから」を鵜呑みにするな。



バードレポート1997年12月8日 第187号

銀行は貸付金回収が仕事


平成10年3月までの銀行取引には、これまでの常識を超えるものが続出します。

現在の銀行員の仕事は「貸付けをする」のではなく、「貸付金を回収する」ことになっています。新規の一般貸付けなどとんでもありません。多くの銀行の各支店が本部から与えられている最大の目標は貸付金の削減です。

「返済条件変更のお約束をかつてしましたが、あれは口約束なので取り消します。土地の処分で返済下さい。または相応の一部返済をして下さい」との返済条件変更の取り消し

「賞与資金は他行からお借入なさってください」との融資の他行への押し付け合い。

「借入金をそのまま預金に置いていただくのは有難迷惑。預金を取崩して返済して下さい」との預金と貸付金の相殺。にわかには信じ難いことがすでに起き始めています。

銀行により差はありますが、当分の間は融資は厳しいと思わなくてはいけません。

「取り敢えず全額返済して下さいよ。必要な時にはまたお貸ししますから。」の言葉をそのまま信じて返済すると、次は貸してくれません。「約束と違う」と言っても始まりません。

今すべきは資金の確保・留保です。
銀行への全額返済など間違ってもしてはいけません。次回に借りられるという保証などどこにもありません。特に優良企業は注意すべきです。

銀行が一番先に回収したいのは不良貸付先ですが、そこからの回収など不可能です。貸付金を回収できるのは優良取引先だけなのです。だから優良取引先を選別しそこから資金回収を進めます。優良取引先だからこそ狙われるのです。

企業にとって資金は血液。止められては生きてゆけません。

自己資本比率規制


こんなひどいことになる原因は自己資本比率規制です。銀行は下記の算式を保たなくてはいけなくなっているのです。分子が減れば、分母を減らさなくてはいけません。

株価下落により銀行所有の株式が100億円値下がりすると、分子の含み益は100億円減少します。比率を8%に保つためには分母の貸付金を562億円減らさなくてはいけません。不良債権処理の結果、分子の自己資本が100億円減ると、8%の比率を保つために、分母はその12.5倍の1250億円もの貸付金を減らす必要があります。

銀行は社会的信用を守るためにも自己資本比率を確実に保たなくてはいけません。そのためにはひたすら貸付金の回収に励むことになります。

上場株式が値下がりし、不良債権処理が進むたびに、回収しないといけない貸付金はとてつもなく大きく膨れ上がる仕組みになっているのです。このままでは資金供給は絞られ、一部銀行の取引先の資金繰りは悪化し、結果的に銀行主導の企業倒産が急増します。

日経新聞97.10.27によると大手銀行合計で15兆円もの貸出資産圧縮です。その後の株価下落を考えるとこれでは足りないでしょう。なお銀行により対応は随分と違います。資金繰地獄はこれからです。今すべきは資金を手元に残すこと。「またお貸ししますから」を鵜呑みにしてはいけません。

左の(注)のように住宅ローンや保証協会の保証付融資等は別の扱いなので、取り扱いは異なっています。

 
(銀行の資本金等自己資本+株式含み益の45%+その他)/(貸付金+動産不動産+その他の銀行の資産)≧ 8/100

(注)貸付金でも住宅ローンは50%だけを分母に算入し、信用保証協会保証付き融資ならその一部だけを算入するというように、回収不能リスクの低いものは相応の勘案をします。各支店単独の一般貸付金は最大のリスク資産でそのまま100%算入します。

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