転売促進・事業用買換促進




土地税制改正で 転売促進・買換促進……事業用買換を大拡充



バードレポート1997年12月22日 第189号

土地税制改正は、転売・買換促進税制となりました。

法人の土地重課の廃止・凍結


土地の超短期間(所有期間2年内)での転売益に対しては、通常の法人税以外に懲罰的に「土地重課税」税率15%が課されています。かつては30%でしたから随分軽くなったものの、通常の法人税に追加課税で重負担です。これが廃止になります。赤字会社なら通常の法人税もゼロですから、たとえ超短期の土地転売益でも法人税はかからなくなります。超短期だけでなく短期土地重課(5年内)税率10%、長期土地重課(5年超)税率5%は凍結し2年間適用なしです。

国策は「税金の心配不要だから土地で儲けなさい。」です。

個人の長期譲渡税の引下げ


個人の長期譲渡税の最高率39%が32.5%へ引下げです。譲渡所得6000万円まで26%、6000万円超は32.5%です。所得が4000万円までは変りませんが、これを超すと減税になります。

譲渡所得1億円だと、税額は3120万円から2860万円へとの減税です。3億円なら1億920万円から9360万円へです。

事業用資産の買換特例拡充


土地税制改正一番の大目玉。事業用不動産を売却しても、他に事業用不動産を購入すれば、税金を8割引きにするという制度です。

10年超所有の事業用不動産を売却するなら、どんな不動産の売却であっても、事業用不動産を購入すれば特例OKになります。税金は本来の課税に比べたった2割で済みます。

これまでは地域制限が厳しく、都心部の不動産は買換資産に認められませんでしたし、貸ビル・アパート・貸宅地など賃貸用不動産の売却では特例が使えないこともありました。改正により売却資産の所有期間が10年超であれば、これらの制約がなくなります。

(1)地方の農地・アパートを売却し都心部のビルを買う(2)都心部の古アパート・貸宅地を売却して都心部・郊外の収益物件を買う(3)工場を売却し別の都心部・郊外の土地に貸ビルを建てる。・・・・といった動きが出るでしょう。特に3大都市圏の「既成市街地等内」での不動産需要は強くなります。

国策は「税金を8割引にするから、不動産を売ったら次の不動産を買いなさい。」です。

マイホームの買換制限撤廃


居住用財産(マイホーム)買換の特例も緩和です。売却物件が2億円を超えるとマイホームの買換特例が使えないことが多いのですが、この上限金額の制限が撤廃です。

マイホーム売却損の繰越


サラリーマンが値下りマイホームを売却しても、その売却損を給与所得から差し引けるのはその年限りで、引ききれない売却損は切捨てです。青色申告事業者なら切捨てでなく3年間繰越せるのに、サラリーマンは冷遇されていました。

ローン残債があり、かつローンで新たにマイホームを買った場合に限って3年間繰越せるようになりました。苦しいサラリーマンにとって朗報ですが、特例が使えるのは買い換えられる人だけです。勤務先倒産でローンを払えず泣く泣く自宅を売却し、賃貸アパートに移ったサラリーマンはこの特例を使えません。住宅ローンで新しいマイホームを買わない限りはダメなのです。この改正では本当に苦しい人は救えません。

苦しい国民を救うとの仮面をかぶった改正ですが、実はマンション需要喚起目的のデベロッパーのための改正です。国策は「税金で面倒みるから、損したことは忘れ、景気回復のために、もう一度借金でマイホームを買いなさい。」です。

いつから改正?


このページの改正は平成10年1月譲渡分から適用です。




バードレポート 1997年12月22日 第189号-2 その他の税制改正事項



(1)建物の減価償却


バードレポート173号(97.8.25.)「建物の減価償却は定率法を禁止し定額法に限る?」で、建物の減価償却の改正動向をお伝えしましたが、下記の内容で決着しました。

建物の減価償却について定率法は使えなくなります。定額法に統一されます。

対象となるのは建物であり構築物は定率法もOKです。定率法が使えなくなるのは平成10年4月1日以降の新規取得建物に限られますから、既存の建物は大丈夫です。

一方で減価償却の期間が短縮されます。RC造事務所ビルは65年償却が50年償却になり、木造アパートは24年が22年になります。減価償却費はこれまでの定率法償却に比べ激減します。

(2)福利厚生費


バードレポート183号(97.11.10.)「法人税改革で借上社宅の需要が激減する」で、福利厚生費・交際費・法人税率の改正動向をお伝えしましたが以下のようになりました。

福利厚生費の改正は見送りになりました。当初案では、従業員一人当たりの福利厚生費は50万円を限度とすることになっていました。改正されると、社宅・独身寮・保養所・生命保険・社員食堂・等々多大な影響が予想されましたが、最終的に改正は見送りです。各業界は見送りでホットしています。しかし、一度テーブルにのった改正案は数年の内に、もう一度テーブルに出てきますから注意が必要です。

(3)交際費課税


交際費課税が3倍増税になるかもしれないとお伝えしましたが2倍増税での決着です。中小企業では10万円の交際費をつかって経費にしたと思っても、その1割相当の1万円について法人税は課税されます。それを3割の3万円とするとの当初案でしたが、2割2万円ということで妥協がつきました。

(4)法人税の軽減税率


大企業に適用される法人税の「標準税率」37.5%の引き下げが議論の中心となり、中小企業に適用される「軽減税率」28%の引き下げ議論は後回しにされました。結果的に標準税率は3%引き下げられ、軽減税率も同様の3%引き下げとなります。

(5)不動産M&A


バードレポート176号(97.9.15.)「買取仲介型の不動産M&A・・・・会社売買による買取仲介」で、会社合併時の課税について「現行税制ではここで2000万円程の法人税等課税があります。」とお伝えしましたが、今回の改正でこの課税がなくなることとになります。

不動産所有会社を会社売買(不動産M&A)で買取り、その会社を合併することで土地の原価(帳簿価格)を引き上げて、更に転売するビジネスが活発になっています。

会社を合併して土地の原価を引き上げる際に土地の長期重課が課税されます。前述の「2000万円」とは、この土地重課分です。土地重課が廃止になりますので1月以降の合併ではこの課税はなくなります。

この不動産M&Aでの邪魔者となっている土地重課が廃止になりますので、M&Aや欠損会社をつかってのビジネスが活発化しそうです。

(6)小額減価償却資産の改正


20万円未満の資産(例えばパソコンなど)を購入すると、購入時に全額経費になります。その上限額が20万円から10万円に引き下げられます。

代替えに10万円〜20万円の場合は3年間で減価償却できる特例をつくりました。198000円の特売価格のパソコンでは購入時一括経費化ができなくなります。

(3)(4)(6)は10年4月1日以後開始の事業年度からの適用です。

その他

○地価税の凍結

○特別土地保有税の軽減

○法人新規取得土地負債利子 損金不算入制度の廃止

○特定現物出資の一部廃止

○青色申告特別控除の拡大

○ローン控除の所得制限緩和


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