事業用資産の買換特例緩和




「事業用資産の買換特例」の大緩和で不動産はどう動くか?



バードレポート第191号1998年1月12日

 今回の税制改正で不動産について最大の影響を及ぼすのは「事業用資産の買換特例」の拡充です。「一定の」事業用資産を売却、「一定の」事業用資産へ買換なら、譲渡税を安くする制度です。今までの制度で苦労したのは「一定の」の条件です。地域制限等の詳細な条件があり、使い勝手が極めて悪い制度になっていました。それが思い切って拡充されます。

長期所有土地等から建物へ


(これまでの制度は・・・)

 昭和56年以前から所有の事業用土地建物等を売却し、既成市街地等(東京・大阪・名古屋の都市部)の外にある事業用建物等(土地はダメ)に買換ると、譲渡所得は本来の所得の4割の課税となっていました。事業用不動産を売却しても、この制度では既成市街地等外の建物等だけが買換対象でした。既成市街地等内では土地もダメ建物もダメ、既成市街地等外であっても建物はいいけれど土地はダメでした。既成市街地等外にあるマンションを買っても買換対象は総額の内で建物部分だけです。

 結果的にこの特例を使えたのはわずかです。既成市街地等外の近郊農家等が農地や貸宅地を売却し、以前から所有の近隣遊休地上にアパートを建築し建物を買換資産にするケースぐらいでした。

(買換資産制限を撤廃)

 これらの障害が一切撤廃になります。土地も大丈夫、どこでも大丈夫となるのです。

 改正後は、10年超所有の事業用の土地建物を売却した場合、どこに所在するものであっても事業用の土地建物に買い換えればOKになります。

すなわち、売却資産の所有期間が10年超ならば、どこで何を買っても事業用買換の特例適用が可能になります。売却資産の地域制限もなしです。

(課税は半分に)

 これまではたとえ買換しても本来の所得の4割もの課税がされて魅力がありません。4割課税がその半分の、2割課税で済むようなる減税です。

売却益1億円があった場合で、売却額全額の買換をすれば、2割の2000万円に対する課税だけで済むことになります。

 3月に法案成立、さかのぼって、1月売却分から適用です。

(不動産はどうなる?)

 10年超所有であれば買換では制約がほとんどなしです。都心を買えること魅力的で、次のような動きがでます。

(1)地方・郊外の農地・アパートを売却し都心のビルを買う

(2)都心の古アパートや貸宅地・不採算な工場商店を売却して都心・郊外の収益物件を買う

(3)工場等を売却し既所有の都心の土地に貸ビルを建てる。

 3大都市圏の「既成市街地等内」での税目的の不動産需要は確実に強くなります。
相続税に「小規模宅地の評価減」制度があり、坪単価の高い土地は相続税上で極めて有利です。そのため、農地を売却し、超都心の敷地60坪貸ビル購入は強力な相続税対策です。

(注意点)

 特例適用に際しては、「本当に事業といえるの?」にご注意下さい。青空駐車場なのか、単なる空き地なのか等はよくもめます。また、買換資産の取得期限は売却年の翌年末までです。建物の建築等を考えると期限はギリギリです。売却と購入のスケジュールは要注意です。

既成市街地等の内から外へ


 「5年超所有(かつ平成3年3月以前から所有)の既成市街地等内から外への買換」も拡充され、特に売却物件が事務所等の賃貸用でも可になります。もっとも10年超なら前記の「長期所有土地等から・・・」でもっと自由な買換ができます。

所有期間10年未満の3大都市圏都市部の賃貸ビル等については大きな朗報です。


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