連担建築物設計制度で容積率売買




連担建築物設計制度の創設…容積率売買のスタート



バードレポート第193号1998年1月26日

 建築基準法改正が今通常国会成立・98年中施行を目途に進んでいます。建築確認検査の民間開放・建築の技術基準を仕様基準から性能基準への移行、等注目の改正があります。

連担建築物設計制度


 特に注目されるのが「連担建築物設計制度(仮称)の創設」です。この制度により容積率の売買が可能となります。現在の建築基準法では、一建築物一敷地が原則とされ、容積率制限や日影規制等については個々の敷地毎に適用されます。

 複数敷地を一つとみなす制度として「一団地の総合的設計制度」等が既にあります。これは複数の敷地を一つとみなすこととにより、個々の敷地に適用される規定を適用せずに、複数敷地を一つの敷地とみなして容積率制限や日影規制等の制限を適用するものです。その結果その敷地内部での複数建築物の設計においては各敷地相互間で容積率の融通移転が可能となります。

 これまでのこの制度は複数建物同時新築が原則です。例外としては多少のタイミングのずれについて工区に分けて建築することを認めているに過ぎません。そのために既存建物について適用することができません。 

 今改正で導入見込みの「連担建築物設計制度(仮称)」では、既存建物についても同様の適用をすることになります。一団土地の区域内において既存建築物を含めて一体的な観点から建築物を建築する場合に適用することになります。

たとえばどうなる?


 改正によりどうなるのか、極端なケースとして次のような場合を考えて下さい。

 「開発敷地に隣接してお年寄りの居住する住宅がある。このお年寄りの住宅敷地の容積率は400%だが、100%しか使われていない。開発敷地とこの住宅敷地とにつき一体的な観点から開発をすれば、一つの敷地とみなすことにする。そうすることにより、開発敷地上の建築物はその開発敷地の本来の容積率ばかりではなく、木造住宅の敷地の未利用容積率300%分までもが使えることになる。お年寄りは住宅はそのままで、容積率の移転(売買)につき相応の金銭的対価を受ける。」

 もちろん、実際にどのような場合に使えるかは改正法と実際の運用次第です。これほどうまくいくかはまだ不明です。どの範囲までが一体的で、一つの敷地となるかが焦点です。

どんな問題がでるか。


 建築基準法は登記制度・権利関係・金銭的処理については興味をもたない法律です。他人の土地を敷地としてしまうことも可能な程ですから。現状のままでこの制度を進めると多くの混乱が予想されます。前記の住宅敷地での建て替えの際には容積率は400%ではなく100%だけです。300%は隣接地に既に移転済みです。現状ではこの事実につき登記義務はありません。何らかの公示制度がなければ知らないままに売買も生じます。また現状では同一敷地での容積率二重使用等がなされるなど敷地管理が十分でないことも多いようです。

 課題は多いのですが、制度がスタートすれば現実はこれらを解決しながら進んでいくでしょうし、大きなビジネスチャンスとなるでしょう。

 昨年11月の政府緊急経済対策には都心商業地容積率緩和が織り込まれています。容積率は最大1300%になります。経済企画庁試算ではこの容積率緩和の経済拡大効果は10年間で20兆円にもなるだそうです。

容積率の緩和分がなされ、その容積率までもが移転・売買の対象となれば更に大きな動きとなるでしょう。



1998年 9 月14日No.223 「街並み誘導型地区計画」で容積率緩和…「銀座」建替促進策



1998年 4 月20日No.204 不動産錬金術…容積率割増ボーナス&容積率売買/空中権売買連担建築物設計制度



1998年 1 月26日No.193 「連担建築物設計制度の創設」・・・容積率売買のスタート

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