借金の遺産分割協議




借金の遺産分割協議……借金は法定相続分での負担が大原則



バードレポート第197号1998年2月23日

 親が亡くなると親の財産はどのようになるのでしょうか。

 相続人が子3人だったならば、その3人で財産をどう分けるかを決めればいいだけです。これが遺産分割協議です。

さて財産でなく、借金はどうするのでしようか。「○○銀行の借入金9千万円は次男が負担する(引受ける)」という兄弟間で遺産分割協議が成立したとしましょう。

 ○○銀行としてみればそんなことを勝手に決められても困ります。銀行としてはそんな遺産分割協議に従う義務はありません。

かといって、「長男には返済能力がありそうだが、次男・三男には返済能力が無さそうだ。だからこの借金は長男に引受けて欲しい。」と○○銀行が主張しても、長男はそれに従う義務はありません。

 借金については、遺産分割協議や銀行の意図にかかわらず、法定相続分で負担するのが原則です。相続人が子3人、借入金9千万円なら、一人あたり3千万円です。


 長男だけに返済能力があり、次男・三男は返済能力なく返済不能になっても、長男は自分の負担の3千万円だけを返済すればいいのです。銀行は次男・三男分の返済を長男にお願いはできても強制はできません。(親の生前に、長男が親の保証人になっていれば、保証人の立場として返済しなければいけません。)

 遺産分割協議の結果として、長男が財産を相続し、次男・三男はわずかだけ・・・・。銀行は驚きます。十分な担保を取っているか、長男が親の保証人になっているかなら安心もできますが、そうでなければ銀行員が大慌てて飛んできます。

 「9千万円の借金全額を長男が単独で引受けて欲しい(免責的債務引受)。そして次男・三男は連帯保証人となって欲しい。」

イヤだと断ると、

 「次男・三男が各3千万円づつ引受けるは仕方がないが、長男がその保証人になって欲しい。(連帯保証)」

これもイヤと断ると、

 「次男・三男が各3千万円づつ引受けるのはいいが、次男・三男の引受け分について、長男も重ねて連名のようにして引受けて欲しい。(重畳的債務引受)

 これもイヤと断ると銀行員は途方に暮れます。(異常な遺産分割には詐害行為等法的問題が生じることもあります。)

可哀相な銀行員のために次のような提案をするのが最近の流儀のようです。

 「金利を低くしてくれたら、返済額を減らしてくれたら、あるいは、△△をしてくれたら、そうしてもいいよ。」

そして銀行員は半泣きしながらも笑顔を取り戻します。

 次男・三男分の6千万円が貸倒れになるよりはマシですから。もっとも融資につき保証人や担保の管理をきっちりとやっている普通の銀行なら、こんなミスはないのですが。

 さて、このケースで親の土地に根抵当が設定されていたらどうなるでしょうか。もちろん、親が亡くなってもその根抵当は有効です。

 ただし親が亡くなってから6ケ月以内に、長男・次男・三男のうちで、だれが取引を引き継ぐのかを合意して登記をしなくてはいけません。 根抵当とは設定時に定めた「極度額」を限度とし、様々な取引の債権を担保するものです。しかし、相続の場合にこの合意の登記ができないと、親が亡くなった時にさかのぼって、根抵当が担保する元本が確定してしまいます。仮に親の死亡後に長男へ貸し出された事業資金その他新規の債権があったとしてもそれは担保されなくなり、銀行員はまた青くなります。


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