定期借家の相続評価




「空室が増えると相続税も増える?」「定期借家の相続評価?」



バードレポート第214号1998年7月6日

注意 その後1999年7月の通達改正で、アパート等継続貸家の一時的な空室について貸家建付地の適用を認めるとの確認を行っています。 大家さんに厳しい最高裁判決です。アパートに空室があると相続税が増えるのです。横浜地裁・東京高裁と争っていたのですが、最高裁でも納税者が負けました。

 全21室の賃貸アパートを新築した方が亡くなりました。死亡時は不動産業者による賃借人募集中で、4室は既に賃貸借契約済で、17室が空室でした。(その後1室を残しすべてうまりました。)建築資金を金融公庫から調達したので賃貸目的以外への転用が困難で、建物全体を売買用にするには、費用的にも労力的にも容易でありません。

 相続税評価では、アパートの建物は「貸家」として、自宅等に比べて評価減されます。アパートの敷地も「貸家建付地」として更地より評価減されます。

 この裁判例では、土地建物すべてを「貸家」及び「貸家建付地」として評価減して相続税申告しました。税務署側は空室の17室分については空家だから賃貸用ではないと評価減を認めずに、裁判となりました。

 結果は税務署の勝ち。差額の相続税に加算税を加えて納税することになったのです。大家さんは好きで空室にしていたのではないはずです。「空室で苦しみ」そして「空室で相続税が増える」となり「踏んだり蹴ったり」です。

現実の実務での対応


 現在のところでは税務署は多少の空室なら大目に見てくれているようです。しかし、こんな最高裁判決がでると、これからは心配にもなってきます。相続税が心配な大家さんの選択肢は3つです。

 (1)家賃を下げてでも満室にする。(2)賃貸管理会社に一括サブリースする。(3)大家さんの個人的な不動産管理会社に一括サブリースしてから賃貸する。

 サブリース後は部屋が実際には空室であっても大家さんにとってみれば管理会社へ賃貸中の建物となります。なおアパートでは多少の空室は大目に見てもらえても、貸倉庫・貸店舗・貸戸建住宅など一棟ものの賃貸建物が空家だと、「貸家」の評価減の余地はありません。

定期借家権での評価減は?


 さて借地借家法改正による定期借家権の制度が創設されることになりそうです。定期借家で賃貸した建物やその敷地の相続税評価はどうなるのでしようか。現在では全く不明です。ただし、これまでの課税の流れから考えると、評価減は現在よりも少なくなる可能性があります。

 そもそも「貸家」の評価減は、借家人の権利を考慮してです。大家さん都合で更地にするためには立退料を払わないといけません。その負担分が評価減されているともいえるのです。

 定期借家により正当事由の問題がなくなり、立退料不要となれば、借家人の権利は確実に少なくなり「貸家」評価減が減る可能性があります。すると定期借家で相続税は増えます。もちろん、これまでと変わらず評価減可となるかもしれませんが、これら税務の扱いが確定するのはまだまだずっと先になりそうです。


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