定期借地権の底地評価




定期借地権の底地評価が大きく引き下げになったけど…



バードレポート第219号1998年8月10日



関連資料→定期借地権と相続税

注意 その後1999年7月の通達改正で、保証金債務の還元利回りが6%から4.5%に改正されました。 更地での時価2500万円・相続評価2000万円の土地があります。保証金500万円を預かり50年一般定期借地権で土地活用をします。相続評価額はどうなるか?財産は土地と預かった現金、そして保証金の債務になります。<定借設定前>

土地  2000万円
<定借設定後>

定借底地 1600万円

現金  500万円

保証金債務 ▲27万円

合計差引 2073万円
 定借が設定された土地(定借底地)の評価は通常は更地の80%(2000万円×80%)でした。

 
大きな問題は保証金債務です。地主が借地人から預る保証金は地主にとり債務なので、借金同様に相続財産から控除します。

 しかし「保証金は額面500万円でも、それは50年後に返せばいい金額だ。27万円を年6%で50年間運用すれば、500万円になる。だから、控除する債務額は27万円だ。」と税務署はいいます。

 標準的な定借契約は、借地人からの解約自由となっており、解約申出があれば額面の500万円を返すことになります。にもかかわらず27万円しか控除できないというのは不合理です。

 この結果、相続評価額がアップすることさえあるのです。

定借底地の評価が下がる


 国税庁は通達改正し、一般定期借地権の定借底地の評価額を引き下げます。各地域の路線価図での借地権割合の定めに対応し、それぞれに対応する定借底地の最大評価額を定めます。 


借地権割合%

70

60

50

40

30

定借底地割合

55

60

65

70

75

(注)親族間同族会社間等では適用しない。借地権割合90%・80%の土地については改正なくこれまで同様80%。
 「借地権割合70%の土地に50年定借を設定すると、その底地評価は最大で更地の55%になる。ただし50年をかけて100%に近づいていく。」と読んで下さい。これまでは80%の比べ、かなりの評価引き下げとなります。

 前の事例に置き換えます。借地権割合60%の土地として、評価は更地の60%で1200万円です。定借底地 1200万円

現金  500万円

保証金債務 ▲27万円
合計差引 1673万円
 設定前に比べ約16%引きです。残念なことに、保証金債務の評価についての改正はありません。

相続税の節税の本質は


 相続税の節税対策とは財産価値を保ちながらも、相続税評価額だけを下げることです。評価額でなく、財産価値を積極的に引き下げるのは「相続対策」ではなく、「愚か」といいます。

 定借で土地を貸すと、50年間その土地を自分使用できません。だから、定借底地の客観的財産価値は、更地を100とすれば、当初は40とか50という低い金額になるのは当然です。定借底地の相続評価額が80だったのは客観的には明らかに高過ぎでした。

 一方で、定借での土地活用を行った地主さんにとっての(客観的でなく)主観的な定借底地の財産価値は結構高いはずです。80近いのではないでしょうか。50年後には戻るし、その間は地代収入もあるし、いざとなれば80の評価で国が物納で引き取ってくれますから。そうでなければ「愚か」でない限りは、定借による土地活用などしません。

 今回の改正は相続税評価額を客観的財産価値に近づけました。これまで80で評価していたものを例えば60に下げます。実務上の問題は物納です。これまでは80と評価された以上は物納でも80で収納してくれましたが、これも60になります。

 定借底地の高値引取りをするのは物納だけでしょう。その収納価格が60に下がったということは、定借底地の処分可能価格の下落を意味します。「いざとなれば80で物納できる」という安全弁を地主さんは失いました。通達改正は定借底地の客観的価値が低いことを誰に対しても直視させることになります。定借以外に活用法のない土地を持つ地主さんにとっては、いよいよ悩ましい状況です。

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