生命保険と金融業者と不倫相手




生命保険金受取人は誰になる?…金融業者と不倫相手



バードレポート第225号1998年9月28日

受取人は金融業者?


 A氏は金融業者に3000万円の借金がありました。また内妻を受取人とする3000万円の生命保険に加入していました。A氏は金融業者に対して「万一の場合には生命保険金を受け取ってください。」という念書を渡していました。しかし生命保険会社に対して受取人変更手続きはしていません。翌年A氏は亡くなりました。

保険金はどちらのものか?


 保険証券記載の保険金受取人は内妻です。しかし念書では金融業者です。

 「保険金はどちらのものか」が争われ最高裁(昭和62年10月29日判決)までもつれこみました。結論は金融業者の勝利です。

 「受取人の変更は保険契約者の一方的意思表示のみで効力をもち、保険会社への通知は必要ない。」という判決です。判決は(1)受取人変更は契約者の一方的意思表示で効力を生じる(2)その場合、新旧いずれかの受取人に通告しさえすれば変更の効力が生じる(3)保険会社への通知は必要ない(保険会社への無通知の場合は、保険会社が旧受取人に保険金を払っても責任がない)――となっています。

 最近は保険悪用事件も多発しているようです。それらの問題もあり、保険会社は第三者を受取人にする生命保険はなかなか引き受けません。

 そして不良債権処理問題の多い昨今は、この念書のような話も聞こえてきます。借金の弁済も命がけです。

 さて、金融業者に対して念書を出した後で、更に新しい別の念書を誰かに出していたらどうなるのでしょうかね……。裁判官も悩むところでしょう。

 誰を受取人にするかは、よく考えないといけません。

受取人は不倫相手?


 「B夫は、仕事一筋まじめで子煩悩の夫で、ゴルフを趣味としていたが、社交ダンスを始めるようになった。……そしてダンス教室においてB夫はC子と交際するようになり、B夫の妻に対しても公然と交際するようになった。……B夫はアパートを借りて住むようになり、C子も家を出て同棲するようになった。(東京地裁判決文より)」 

 こうしてダブル不倫は進行し、B夫はC子を受取人とする生命保険に加入しました。保険会社に対してはC子とは離婚後結婚するとB夫は説明しています。

 しかし翌年にはB夫もC子も不倫関係を解消し、元の家庭に戻ります。6年後にB夫が亡くなります。保険契約は何の変更も無く当初のまま。保険金はB夫の妻子にではなくC子に支払われます。

保険金はどちらのものか?


 B夫の妻は裁判を起こします。判決(東京地裁平成8年7月30日)は、不倫関係維持を目的としたものであり、不倫相手を受取人とする指定は公序良俗に反し無効であるとされ、C子でなくB夫の妻子が保険金をそっくり受け取ることになりました。

 生命保険ではなく遺言により不倫相手に財産を遺贈することは、女性との関係の維持継続・強化が目的であれば無効だが、不倫相手の生活維持目的なら有効であり本来の相続人の生活基盤を脅かさないのであれば公序良俗に反しないとされています。(最高裁昭和61年11月20日)

 しかし、生命保険は遺言と違います。保険料を払い続け、誰に保険金を受けとらせるかは、商法上も、契約者の自由のはずなのですが…。B夫はなぜ受取人変更もせずに6年間も保険料を払いつづけたのでしょうか?

 さて、女房殿や亭主殿に自分の保険金を渡したくない向きには、受取人だけでなく保険契約者変更まで行い、その後は保険料相当額の贈与とすれば、公序良俗とは言いづらくなります。

借金を返済のために


 さて借金を残して死ぬと、子供たちに相続放棄をされてしまい、寂しい思いをします。子供に相続放棄されたくなければ、たとえ支払いが苦しくとも、生命保険も役に立ちます

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