政府の貸し渋り対策




借りられるのなら借りましょう……政府の貸し渋り対策



バードレポート第230号1998年11月2日

「安定化特別保証」


 中小企業が金融機関から融資を受ける際に、保証をしてくれる公的な機関が各都道府県等の信用保証協会です。これまでの信用保証残高は30兆円。それが政府の「中小企業への貸し渋り対策」としてこれと別枠で20兆円の追加保証をすることになりました。保証残高を何と一気に6割増にすることになります。

 10月から新制度が始まり、貸し渋りに悩む中小企業から出される山ほどの申込書に、担当者は多忙を極めているようです。

 この制度は下記の認定基準に該当すれば、「業績が極端に悪化し大幅な債務超過の状況に陥っており、事業好転が望めず事業継続が危ぶまれる場合」等の余程の悪い事情がない限りは、「原則として保証を承諾する」となっています。無担保での保証限度額は5000万円となっており、信用保証料も特別割引で、なんとも激甘の制度です

 認定基準に該当するかの認定は、各市区町村が窓口です。各市区町村は自分が保証するのでありませんから当然に激甘認定。次に保証協会の審査も国の優先政策とあってやはり激甘で、金額の審査はあるものの、わずか数日でOKがでているようです。ほとんどの中小企業は基準のいずれかに該当するはずです。

最後は金融機関の判断


 もっとも、保証協会の保証がOKだとしても、金融機関が融資してくれるとは限りません。保証と融資は別なのです。「保証がついてるから、安全のようだけれども、やっぱり貸したくない」という銀行も多いようです。金融機関との交渉は必要です。

 金融機関の悪用もでています。せっかくのこの保証協会の融資金で、既存の不動産担保融資の返済を迫られたとか、融資の一部を預金にさせられた…等等。「貸し渋り110番」の設置等で政府も努力はしていますが、民間銀行に強制はできません。

 ちなみに、この20兆円の貸し渋り対策の保証制度に対して、国の予算はわずか1440億円です。信用保証協会への補助です。これと別に今後数年で8000億円の追加出資も考えているようですが、ろくな審査もない大甘保証の20兆円のうちで一体どのくらいが焦げ付くのでしょうか。考えただけで身震いがします。

公的な緊急融資制度


 多くの市区町村で「特別緊急融資」といった内容の制度が設けられています。

 東京都新宿区の場合には限度額は500万円で、信用保証料は区が全額補助、また区からの利子補給で金利負担はわずか0.5%です。条件は「最近3ケ月または6ケ月の売上高または営業利益が前年同期と比較して減少していること」等です。各市区町村もこれと似たような制度のようです。

 残念ながらこの制度も最後は金融機関が貸してくれるのか・金融機関に悪用されないか、という問題にたどり着いてしまうことが多いようですが…。

 こんな世の中は、融資が受けられるなら、迷わずに融資を受けて、手許資金を厚くしておかないといけません。何があるか分からない世の中ですから。まずは市区町村の窓口へ行ってみてはいかがでしょうか。




認定基準

(1)取引金融機関からの借入金利が最近1年間において同期間の長期プライムレートの変動よりも悪化していること。

(2)最近における借入金残高及び割引手形残高の合計額に対する担保設定額の比率が前年同月に比して増加していること。

(3)長期借入が困難となることにより、最近における固定長期適合率【=固定資産÷(自己資本+固定負債)】が上昇していること。

(4)必要額の借入が困難となることにより、資金調達のため、預金取崩し又は資産売却を行っていること。

(5)必要額の借入が困難なため、回収条件や支払条件の変更を余儀なくされていること。

(6)継続的に利用している短期借入金について、借入金額の減少又は利用継続の停止等を余儀なくされていること。

(7)担保評価額の減少により、新たな資金調達が困難となっていること。

(8)金融機関との新規取引等の理由により、必要額の調達が困難となっていること。

(9)その他、継続的に利用している借入金の借入条件が悪化し、資金調達に支障を来していること。

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